活動ファンド | SOMPOアート・ファンド |
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申請時期 | 第1回 |
活動地域 | 宮城県 |
活動ジャンル | 美術、生活芸術、文学、音楽 |
活動者名 | 公益財団法人 仙台市市民文化事業団 |
活動名 | (仮称)国際(こどもアート)センター駅まつり |
活動名(ふりがな) | (かしょう)こくさい(こどもあーと)せんたーえきまつり |
実施時期 | 2016年 8月 10日 ~ 2017年 2月 19日 |
会場 |
実施場所:仙台市地下鉄東西線国際センター駅ほか 所在地 :宮城県仙台市青葉区青葉山2-1外 |
活動名:
こどもアートひろば 「アッペトッペ=オガル・カタカナシ記念公園」
活動名称変更経緯:
2016年夏頃に、最終的なプログラムの企画案の提案とともに名称が決定した。
アッペトッペ=めちゃくちゃな
オガル=育つ
カタカナシ=カタカナ詩(詩人スズキヘキの詩の形式)
ヘキが大切にした郷土のはなし言葉(仙台弁)と音の響きを活かしたタイトルになっている。
(1)活動概況
市民協働で定評あるアーティストユニットKOSUGE1-16を迎えたプロジェクト。
イギリスや前橋で行われた展示「PLAYMAKERS*」を基本アイデアとした仙台バージョンの作品制作を依頼。
大正時代に、童謡詩人のスズキヘキや、郷土研究家の天江富彌が中心となって展開した、仙台の児童文化運動に触発されたKOSUGE1-16が、当時の活動を現代の感覚でなぞり、同時代の芸術家や子どもたちと、うた(童謡)やおはなし、造形物やアニメーションを制作した。
展覧会では、スズキヘキの「カタカナシ(詩)」にちなんだカタカナ文字型遊具作品を配置し、子どもの遊び場となる公園的空間を作り出した。また、展覧会期間中は「会屋」と呼ばれた天江富彌のユニークな祭りにちなんだ様々なイベントを開催し、多様な層の交流を図った。
プロジェクトは、2015年12月に開業した地下鉄東西線沿線で、今後の活用が注目される西公園・広瀬川流域に親しむ契機をつくるとともに、アートを通した世代間交流や多文化共生を目的として実施した。
更に、展示作品の制作は、地下鉄の終点で、開発の進む荒井地区で行った。津波の到達点であり、新旧の住民が入り混じるこの地区の人々が協働して作品を作る機会を創出し、コミュニティ形成の一助となることを目指した。
*PLAYMAKERSとは
その土地でかつて美術を学ぶ場や芸術文化運動の拠点など、創造の場をつくった歴史的人物のパペットと遊び場をつくる参加型インスタレーションのシリーズ。
■参加アーティスト
ハナカタマサキ(ミュージシャン、アニメ映像作家)、タノタイガ(美術家)、
磯崎道佳(美術家)、こけしぼっこ(人形劇グループ)、イトウユウコ(布物作家)
(2)達成できたこと
童謡詩人スズキヘキと、郷土研究家として知られる天江富弥の二人が大正期の仙台に生み出した芸術文化活動を、「こどもの遊び場」という形のアート作品によって表現した。古い文化活動を知る高齢者から、公園として楽しもうとする子どもまで、多くの市民がアート活動に触れる機会を創出した。また、スズキヘキと天江富弥が芸術学校の創立や多くの会を通して人々の交流を生み出したことにちなみ、KOSUGE1-16は制作・展覧会・イベントのそれぞれの局面で人々と関わり協力関係を築いた。作品と協働によって地域の文化・人的資源を掘り起こし、今後の市民活動として展開していくための布石を作り出した。
(3)現状の課題
短期的な作品制作と発表の後に、新たに展開されていくであろう市民活動を支援する中・長期的な企画や体制の必要性が浮き彫りとなった。また、枠にとらわれない芸術活動を総合的に保存・紹介する文化施設や記録方法の必要性も明らかになった。更に、住民と交流しながら大がかりな作品づくりを行う場合、制作場所確保が難しいということが分かった。
(4)今後の改善点
今年度の事業は、アーティストに相談を始めたのが6月で、半年後の12月には展覧会を行うという厳しいスケジュールであったため、協働団体の活躍の場が少なかった。
今後は、時間をかけて、働団体が企画・提案する活動とも連動しながら、丁寧に関係をつくるとともに、アーティストによるリサーチを進め、2018年度の発表につながる動きをつくっていきたい。
(5)自己評価
ワークショップを行った幼稚園では、ワークショップ実施後に園内のカリキュラムとしてワークショップで用いられた方法が実践されるようになった。また、会場となった国際センター駅はアートの展覧会場として初めて活用される機会となり、地域の中で一つの文化的活動の拠点となる兆しを見せた。
(6)SOMPOアート・ファンドの助成を受けたことによるメリット
柔軟かつ効果的に使える予算を確保できたことによって、アーティストのリサーチによる発見や新たな協働者との出会いに応じて変化していく活動を支援することができた。
(7)活動実施における協力機関や他の協働団体の関与について団体名およびその内容
青葉山コンソーシアム(一社):展覧会場
荒井東町内会:ワークショップ開催
荒井タウンマネジメント:情報提供
絵本と木のおもちゃ横田や/みやぎ子どもの文化研究所:情報提供
おてんとさんの会:資料提供
株式会社東日本放送:資料提供
café Mozart:ワークショップ「おがる彫」協力
協同組合仙台卸商センター:制作場所協力
郷土酒亭元祖炉ばた:情報提供、資料提供
(公財)仙台観光国際協会:イベント協力
せんだい演劇工房10-BOX:機材協力(ミシン)
せんだい3.11メモリアル交流館:情報提供
仙台市交通局:展覧会場
仙台文学館:展示物借用
ちゃいるどらんど荒井保育園:ワークショップ開催
特定非営利活動法人都市デザインワークス:イベント「プレジャーマーケット@カタカナシ記念公園」
FACTORY-K株式会社:展示物制作、会場構成、設営
もろやファームキッチン:制作場所協力
渡邊愼也(地域メディア史研究家):資料提供
渡邊博一:制作コーディネート、記録、制作補助、チラシデザイン
(8)集客人数
ワークショップ:11月9〜11日(ちゃいるどらんど荒井保育園)42人
:11月9日(荒井東町内会)15人
展示発表:12月15日~26日 のべ6,000人
イベント:12月17日「外国絵本のおはなし会」49人
:12月18日「ほやちょうちんのお出迎え」34人
:12月18日「〜こけしが語る宮城の民話〜こけしぼっこのこけし劇」115人
:12月23日「おがる彫」「カタカナシ記念トーク」29人
:12月25日「プレジャーマーケット@カタカナシ記念公園」456人
「ハナカタマサキライブ」119人
(9)媒体への露出(記事タイトル/媒体名/掲載年月日)
「美術家と子ども共同制作」/河北新報朝刊/2016年11月19日(土)
「荒井で制作のアート展覧会、来月開催」/あらっE!第17号/2016年11月24日
「こどもアートひろば 展覧会 アッペトッペ=オガル・カタカナシ記念公園」/リビング仙台/2016年12月10日
「深く広く あふれるこけし愛」/河北ウィークリーせんだいVOL.465/2016年12月15日
「こどもアートひろば 展覧会 アッペトッペ=オガル・カタカナシ記念公園」/artscape/2016年12月6日