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TOHOKU Roots Project 第2回公演「星の祭に吹く風」

TOHOKU Roots Projectの第二回公演は宮沢賢治作品や東北の昔話に沢山登場する「風」をテーマに完全新作初演で郡山、南相馬、登米、仙台、一関、大船渡を旅します。東北TOURの後は活動・創作拠点の東京に戻り、あうるすぽっとでの10公演を行います。移動費、宿泊費、運搬費等でチケット収入のみでは必要経費が賄えず、一会場当たり100万近い赤字計上となります。東北TOURの安価なチケット代で本物の舞台を届けるためにご支援いただけますと幸いです。演劇に直接的な生産性はないかもしれません。数字として目に見える大きな成果は見えづらいかもしれません。が、私たちは演劇と音楽のもつ力を信じて、自分たちの故郷に手を伸ばし続けます。

【はじめに】
2011年3月11日。
TV画面の中の故郷から目を離すことなく見つめ続けていた者。
目の前で割れていく地面に沈む車を見ていた者。
避難した高台からなすすべなく呑み込まれていく街を呆然と見下ろしていた者。
震える手で家族や友人に電話やメールをし続けていた者。
ただひたすらに情報収集をし続けていた者。
物資をかき集め故郷に向かい、言葉をなくした者。
「帰ってくるな、こんな景色を見てはダメだ」と言われ帰れなかった者。

電話の向こうの大津波警報のサイレンが耳から離れない者。
やめるはずだった芝居を続けていくことを選んだ者。
すぐに戻って来られると信じて故郷を後にした者。
一日一日を生き、故郷を離れて東京で芝居を始めた者。

私たちは、無力です。あの日、多くの東北を故郷に持つ人間がメディアを通じて流れてくる故郷の惨状に無力さを痛感しました。あの日、東北にいた人間も目の前の惨状になすすべもなく無力さを突きつけられました。6年が過ぎた今、やはり私たちは無力のままです。いつ帰っても、荒れ地は荒れ地のままです。いつ帰っても、笑顔の裏には沢山のため息と涙と止まったままの時間があります。「復興」という言葉が掲げられ、気持ちは置き去りのまま周りの時間だけが流れていきます。
それでも、私たちは今すぐ故郷の力になるものではないという事を知りながら、演劇や音楽という手段を選び、物語を創っています。

私たちには現状を変える力はないけれど、故郷も、大切なものも、記憶も、思い出も、想いも、失い続けているのならば、東北をルーツに持つ私たちが東京で創った物語を使い、新しい記憶と思い出を創り続けたい。
ぼろぼろになった故郷ではなく、ここ東京で自分たちに出来ることを探し、今までやってこなかったことをやろうと決めました。

東京で創った公演を東北に持っていくことの金銭的な困難、集客的困難を解決することは容易ではありません。考えるべきことは山のようにあります。毎回、きっと苦労するでしょう。
それでも、私たちは続けていくことを選びました。

東京で自信をもって面白いと言える舞台を創り、それを故郷である東北に届けること。
東北公演を行うことで、他の場所からも観客を呼び込むこと。
東京を活動拠点とする東北出身の俳優が地元での仕事を得られるようなシステムを作ること。
育ててもらった故郷の東北にそれ以上のものを返すこと。
その想いがあるからこそ出来る作品を東北のみならず、沢山の人に届けること。
そして、私たち自身が東北と「何か」を繋ぐ為のものとなること。
ゆくゆくは震災以前から舞台芸術過疎地であった東北に演劇と音楽を手段に舞台芸術を根付かせること。
自分で選び、お金を払い、見たいものを見る。そんな当たり前の日常に私たちの故郷が一歩でも近づけることを願い、また首都圏の観客にこのプロジェクトを通して東北の「今」を知ってもらい、東北の力を感じてもらえる企画をつくり続けること。

それが、カンパニーとして新たな一歩を踏み出す TOHOKU Roots Project がやりたいことです。それを目的に集まったメンバーにとっても、TOHOKU Roots Project が自由に企画を出し合える各々のやりたいことを実現する場所に、そして故郷を想うことでその力を発揮出来るクリエイションの場所になればいいと思っています。

東日本大震災から間もなく7年。
止まってしまった時計がいつかまた動き出すことを信じて、人はいつか必ず立ち上がれる日がくると信じて、私たちは私たちに出来ることを信じて、演劇と音楽の持つ力を信じて、あの日から地続きの「今」と向き合い続けます。

「今さら」ではなく「今から」東京から東北へ。
地道にレールを伸ばし続けて、私たちの汽車を走らせ続けます。
願わくば、沢山のレールが伸びて、沢山の場所へ届けられますように。

私たちも、私たちの故郷も、まだまだ果てしない道のりの道半ばです。
この長い旅路をそっと見守っていただければ幸いです。

TOHOKU Roots Project


【TOHOKU Roots Project団体概要】

2012年9月、東北出身の俳優とスタッフで自分たちが仕事のフィールドとする演劇を「被災地」と呼ばれるようになってしまった故郷に届ける手段を考えるべく、任意団体として企画立ち上げ。2015年9月、TOHOKU Roots Projectと名称を改め本格的に始動。2016年9月、継続した活動の為、一般社団法人東北ルーツプロジェクトとして法人化。

2016年3月に福島・宮城・岩手の東北3県出身、及び東北にルーツを持つ俳優とスタッフで音楽劇「想稿・銀河鉄道の夜」東京公演を東池袋あうるすぽっとにて上演。その後3月~4月に南相馬・いわき・仙台・東松島・盛岡の5ヶ所にて東北TOURを主催上演。現地の新聞、ニュース、ラジオ等メディア媒体にも多数取り上げられた。

活動情報

活動ファンド 助成認定制度
申請時期 2017年 第1回
活動地域 福島県
活動ジャンル 音楽、演劇
活動者名 一般社団法人 東北ルーツプロジェクト
活動名 TOHOKU Roots Project 第2回公演「星の祭に吹く風」
活動名(ふりがな) とうほくるーつぷろじぇくとだいにかいこうえん「ほしのまつりにふくかぜ」
実施時期 2017年 5月 20日 ~ 2018年 4月 22日
会場 実施場所:郡山・南相馬・登米・仙台・一関・大船渡:東池袋あうるすぽっと
所在地 :福島県郡山市、福島県南相馬市、宮城県登米市、宮城県仙台市、岩手県一関市、岩手県大船渡市、東京都豊島区
寄付金額 / 目標金額
20,000 / 7,000,000
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