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採択活動一覧

「世界ゴールド祭」キックオフ!

活動情報

活動ファンド SOMPOアート・ファンド
申請時期 第2回
活動地域 埼玉県
活動ジャンル 舞踊、演劇
活動者名 公益財団法人 埼玉県芸術文化振興財団
活動名 「世界ゴールド祭」キックオフ!
活動名(ふりがな) 「せかいごーるどさい」きっくおふ!
実施時期 2017年 9月 21日 ~ 2017年 9月 24日
会場 実施場所:彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
所在地 :埼玉県さいたま市中央区上峰3-15-1

活動完了報告

(1)活動概況
来年から隔年開催を予定している「世界ゴールド祭」に向けて、高齢者舞台芸術に関する国際シンポジウム及びワークショップ「世界ゴールド祭 キックオフ!」を、2017年9月21日~24日の4日間にわたり開催した。テーマは「高齢社会における芸術文化の可能性-劇場は地域に何をもたらすことができるのか」。同分野での実績豊富な英国から、サドラーズ・ウェルズ劇場と同劇場の高齢者舞踊団「カンパニー・オブ・エルダーズ」からラーニング&エンゲージメント部門ディレクターや高齢者ダンサーを含めた6名を、また同じくロンドンのオールバニー劇場と同劇場を拠点に活動する「エンテレキー・アーツ」の両ディレクターを招聘。活動事例を紹介しながら、芸術を通して切り開くより包摂的な社会の実現可能性や、社会と芸術の接合点としての劇場の在り方について、議論を深めた。カンパニー・オブ・エルダーズのダンス・クラスを体験するワークショップも開催され、参加した高齢者の皆さまには身体表現の楽しさを、また劇場関係者・アーティスト・福祉関係者等、事業の立案・実施を行う側の参加者には、実践を通して高齢者の表現活動におけるダンスの有効性を実感していただいた。交流会では日英双方の登壇者や一般参加者が活発に交流や意見交換を行い、今後の関係構築に向けての意義深い出会いの場となった。同時開催として、当劇場の高齢者演劇集団「さいたまゴールド・シアター」による新作『薄い桃色のかたまり』を上演、またシニアの生き方を題材としたドキュメンタリー映画『人生フルーツ』上映会を実施した。

(2)達成できたこと
・英国での活動例、当劇場の活動例の紹介、また実践的にはダンス・ワークショップや「さいたまゴールド・シアター」公演を通して、高齢者の芸術表現の多様な在り方を示すことができた。
・シンポジウムでは、各活動のビジョンはもちろん、地域社会の背景や実情にどう寄り添うか、実際的な課題解決のための方法論等、実践者ならではの視点からの知見を共有できた。
・またそのなかで、劇場と地域との関係性についても、一通りではない、各々の目的や状況に応じた在り方を、実際的な事例とともに考察することができた。
・4日間を通して全国から多くの劇場・舞台芸術の専門家、アーティスト、行政関係者、福祉関係者、研究者、そして高齢者の方々が参加され、芸術が社会と高齢者との接合点になり得ることが分野を超えて共有されると同時に、人的交流によって将来への発展的な可能性が開かれた。

(3)現状の課題 及び(4)今後の改善点
●広報の強化
初めての試みということもあり、参加を呼びかける広報を、一定の範囲を超えて行うことができなかった点が課題であった。にもかかわらず、劇場や芸術分野に限らず、福祉、医療、公共デザイン等、公共・民間を問わず高齢者に関連するさまざまな分野からの参加があったが、さらに議論を深め、将来的な協働の可能性を探るためにも、他分野への積極的な働きかけは不可欠である。今後は、より広範かつ効果的な広報展開を検討していきたい。

●持続可能な実践に向けて
〈方法論〉
ワークショップでは各回20~30人の定員に対して130~280人の応募があり、多くの希望者に受講いただけなかった。今回に限らず高齢者の参加型アートプログラムの需要は非常に大きいのだが、全員を受け入れかつ質を保つには、特に人員配置のうえでコスト、エネルギーともに膨大な投資が必要となり、継続的な実施は困難をともなう。持続的な活動を実現するために、今後さらに試行錯誤を重ねる必要があることを再確認した。
〈財源〉
事業の目的や性質上、シンポジウムやワークショップに高額な参加料を課すことは趣旨ではない。来年度の芸術祭でも、舞台鑑賞の入場料も、プロの公演のような設定は難しいと考えている。入場料・参加料収入がほぼ見込めない事業であることから、運営には各種の公的・民間助成や寄付、協賛金等による支援を得ることが不可欠である。活動を根付かせ効果を上げるためには、継続実施に必要な財源確保の多様なチャンネルを獲得することが、今後の大きな課題である。

(5)自己評価
来場者アンケートによる事業評価では、内容について「大変満足」「まあ満足」と回答した方が約97%に達し、非常に高い評価をいただいたと考えている。参加された方々からは激励や肯定的なご意見を多数いただいたが、なかでも今回の内容を地域の人たちと共有したいとの声も複数あり、事業の効果が地域へと広がりをみせる可能性が感じられた。アンケート回答者の実に90%近くが60歳以上の方々であり、「高齢者芸術」「高齢社会」に当事者として高い関心を寄せていることが明らかになった。ワークショップ受講者からは「継続して欲しい」との要望が多数寄せられた。今後は、そうしたニーズを拾い上げる活動の展開を図っていきたい。
また本事業は報道各社、舞台芸術関連、福祉関連等、多様な方面のメディアに取り上げられた。地元紙・地元TVに留まらず、全国紙や他地域の地方紙でも紹介されるなど、事業の趣旨が社会に広くアピールされる成果を得た。

(6)助成を受けたことによるメリット
未来の文化創造に貢献し、文化芸術による社会課題の解決に寄与する活動という支援条件のもとで採択され、当劇場にとっても挑戦であるこの活動の趣旨に理解を示していただけたことに、まず大変勇気づけられました。また、地方自治体からの補助も大幅に縮減されるなか、他の民間助成金と比較しても多額の金額を助成していただき、事業運営の面では実質的な助けとなりました。地元支店様にいただいた事業に関連する保険契約でのアドヴァイスも大変有益でしたし、広報面では代理店様にもご協力いただき、外からは見えづらい劇場での活動に地域的な広がりをもたらすことができました。

(7)協力機関等
助成:一般財団法人地域創造、SOMPOアート・ファンド、
   グレイトブリテン・ササカワ財団
協力:ブリティッシュ・カウンシル(事前リサーチ等についての助言及び協力)

(8)集客人数  
計553人(4日間延べ)
※但し、参加申込者は計1,484人(4日間延べ・ワークショップ落選者を含む)

(9)メディア露出
 ・シニア世代のアート活動を考える「世界ゴールド祭 キックオフ!」9月に開催/
  ステージナタリーweb/2017年8月20日
 ・「世界ゴールド祭」キックオフイベントを埼玉で開催/介護ノ求人コミュナビweb
 ・《世界ゴールド祭》キックオフ!/地域創造レター/2017年8月25日
 ・シニア演劇可能性探る/埼玉新聞/2017年9月14日
 ・「世界ゴールド祭 キックオフ!」/江森盛夫の演劇袋blog/2017年9月21日
 ・英国団員「何歳でも挑戦」/埼玉新聞/2017年9月22日
 ・世界ゴールド祭キックオフ!/テレビ埼玉(ニュース)/2017年9月22日
 ・日英の高齢者演劇、シンポなど深まる連携/日本経済新聞/2017年9月30日
 ・Far from their last waltz/Asahi Weekly/2017年10月8日
 ・高齢化に芸術が出す解は.../西日本新聞/2017年10月23日
 ・劇場を高齢者の集う場に/徳島新聞/2017年10月26日
 ・地域の劇場を集いの場に/埼玉新聞/2017年10月27日
 ・劇場を高齢者集う場に/秋田さきがけ新聞/2017年10月27日

(10)活動記録写真 
 (下記5点とも 撮影:宮川舞子)

(11)別添資料 
 (以下、メールにて送付。)
 ・掲載記事一式
 ・アンケート報告書 
 (以下、郵送にて送付。)
 ・チラシ
 ・ポスター
 ・プログラムガイド
 ・当日配布資料
 ・報道映像(テレビ埼玉)

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