フルートを通じて世界と福岡を結ぶという目的で開催された「第19回日本フルートコンヴェンション福岡2019」は、台風一過の8月21日から25日の5日間、この季節には珍しい涼しい気象条件にも恵まれて、全日程参加者数千人超、催事ごとの延べ入場者数を合計すると1万人を超える参加者を集めて開催された。
まず、オープニングに先駆けて開催されたコンクールは、海外からの参加者も含めて3部門約200名の受験者があり、国内トップのレベルのコンクールとして成果をあげた。
オープニングとファイナルのセレモニーは、地元170名のフルートオーケストラと世界一流のプロのプレイヤーによる音楽に満ちた華やかなものとなった。
コンサートは、14のソロリサイタル、10の室内楽演奏会、このコンヴェンションの核となる「ベルリンの14人のフルーティストたち」によるメインコンサート、本場アメリカから参加したアリ・ライアソン率いるジャズオーケストラ、やはり世界トップレベルのソリストと九州交響楽団によるフルート協奏曲の演奏会と合計27タイトルの演奏会が開催された。特筆すべきは、福岡古楽音楽祭でもおなじみの前田りり子の「テレマン・ファンタジー全曲演奏会」と日本現代音楽のリーダー・野口龍プロデュースの「コンテンポラリーミュージックコンサート」は、フルートコンヴェンションでしか実現しない、学術的にも意味のあるプログラムであった。
7つのマスタークラスと5つのワークショップ、地元を対象にした「小中高生のフルート塾」は本場の音楽を体感する貴重な機会となった。
全国20団体が出演しプロとアマチュアが同じステージに上がった「全国のフルートオーケストラ演奏会」、コンヴェンションでは初めての試みの「アンサンブルコンテスト」、こちらもプロ・アマチュア混和の「街角ライブ」とまさに国境も音楽のジャンルも超えた交流の場となった。
このほか、音楽学会クラスの講演会・レクチャーも4タイトルがプレゼンテーションされた。
多くの催事会場は、満席に近い入場者を記録し、海外からも150名以上の参加者数を記録した。
世界で話題の「ベルリンの14人のフルーティストたち」、アメリカの「ローナ・マギー」、イタリアの「パオロ・タバリオーネ」、ジャズの「アリ・ライアソン」、「ワールドスーパーアンサンブル」、日本からは油の乗った「清水信貴」、ランパルの域を超えた「工藤重典」高関健指揮する九州交響楽団」。国内、国外からフルートの名手が総出演。アクロス福岡という日本最高の音楽施設の全巻を、世界の音が響き渡ります。一度、アクルス福岡に足を踏み入れると、どこに行ってもフルートから逃れることはできません。8月23日、24日、25日は福岡で、心ゆくまで音楽をお楽しみ下さい。