名古屋を拠点に国際的な音楽活動を展開する作曲家 今井智景の作品「シネクドキズムII」が中川運河助成ARToC10の助成事業として、再び名古屋で上演される。

本作品は、一昨年あいちトリエンナーレ2016とフランスのストラスブールで発表。能の上質な美と美意識が生み出す緊張感をヒントにプロジェクトのテーマである「呼吸と心と知覚の連鎖」を意識して作曲された鋭く繊細な音楽と、400 枚以上に渡る写真を組合せて作った映像を通して、能面の表情が移り変わる妖艶さを表現した。
両公演の高評を得て、さらに作品をブラッシュアップ。また今回はダンス(舞踏)を加えて、作品の世界観をより立体的に魅せることにチャレンジする。日本の伝統芸能「能」の魅力を新しい角度から捉えた１時間におよぶ新感覚の舞台芸術作品。名古屋駅から南に離れた西宮神社を舞台に非現実的な空間へと観客を誘う。

中川運河助成ARToC10は、リンナイ株式会社からの資金をもとに名古屋都市センターが実施する名古屋市中川区にある中川運河再生計画のため、その周辺地域の活性化を目的に毎年芸術文化の企画を募集し助成する事業。

運河神社上の宮の敷地内で２日間に渡り、作曲家 今井智景による音楽と映像とダンスの作品「シネクドキズム２＜コンティニュイティー＞」を上演。音楽、映像、ダンスが織りなすように絡み合って進んでいく新しい形の舞台芸術作品は、観客の集中力を途切らすことなく７０分間披露されました。 神社の歴史ある山車を舞台美術の一部にして舞台を境内に設営。また、公演に向けて、地域の方々とりわけ運河神社の両宮の氏子さん達や有識者の方達を迎え、どうしてここが注目されているのか、なぜアートイベントをするのか、などについてお話を伺ったり、運河神社の歴史を知る講談を聞いたり、意見交換するオープンディスカッション、そして公演の内容、作品に興味を持ってもらうような講演などの交流会を定期的に行うことで、地域の方達と一緒に盛り上げた公演となった。