活動ファンド | 助成認定制度 |
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申請時期 | 2018年 第2回 |
活動地域 | 鳥取県 |
活動ジャンル | 演劇 |
活動者名 | 特定非営利活動法人 鳥の劇場 |
活動名 | 三島由紀夫「近代能楽集」より『葵上』『熊野』他 |
活動名(ふりがな) | みしまゆきお「きんだいのうがくしゅう」より『あおいのうえ』『ゆや』ほか |
実施時期 | 2018年 6月 25日 ~ 2019年 3月 31日 |
会場 |
実施場所:鳥の劇場 所在地 :鳥取県鳥取市鹿野町鹿野1812-1 |
寄付金額 / 目標金額 |
495,000円 /
1,000,000円
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◆上演「三島由紀夫『近代能楽集』より『葵上』『班女』『熊野』『綾の鼓』」
作:三島由紀夫 演出:中島諒人 出演:齊藤頼陽、中川玲奈、高橋等、中垣直久、安田茉耶、大川潤子、後藤詩織、阿部一徳 衣装:安田茉耶 照明:生田正 音響:原伸弘(オハラ企画) 舞台監督:岩崎健一郎
期間:平成31年2月22日(金 )~24 日(日 )・3月1日(金)~3日(日)/上演会場:鳥の劇場/上演回数:16回/料金:大人1,500円、18歳以下500円、中学生以下無料
◆関連事業
●上演ともっと深く出会うための戯曲の講座「三島のセリフを語ってみよう」を公演に先行して実施。
●アフタートーク・交流会 計12回実施
●プレトーク
2月23日(土)11:00~12:00「三島由紀夫と天皇」講師:菅孝行
3月2日(土)11:00~12:30「三島由紀夫-赤い糸と青い糸-」講師:大澤真幸
●食のイベント『春近い鹿野で、芝居とともに「飯」、「茶」、「酒」、「湯」、「宿」』
上演の幕間に、特製幕の内弁当やお菓子とお茶、おつまみとお酒、鹿野温泉、温泉宿の食事・宿泊を楽しむ企画を併催。鳥取を中心にカフェなどを展開する「cafe tree`s」、鹿野で地ビールを醸造している「AKARIBREWING」、鹿野の温泉宿「山紫苑」などの協力を得て実施した。
この戯曲は、能の古典的名作を取り上げ、無常観など日本的心情の上に、三島独特の虚無的人間観やエゴイスティックな心情、常識とされるものへの根本的懐疑、さらには西洋起源の科学的知見などを加えて、人間に関する普遍的な洞察を示したテクスト。これまでも上演して、人気の高かった『葵上』と『熊野』に加えて、『班女』など新作も含め上演。
「近代能楽集」の作品群は、一本が一時間弱というコンパクトさで、かつ物語も明瞭な骨格を持ち、演劇初心者にとっても理解しやすいものが多い。一方で、三島が示す常識の転倒に価値をおく世界観は、必ずしもわかりやすいものとは言えない部分もあり、それを人間の本質としてどのように観客に届けるかは、上演側の力量に大きく委ねられている。これまで鳥の劇場による「近代能楽集」上演が好評であったのは、三島の劇世界が、その倒錯的なわかりづらさも含めながら、しっかりと観客に届いた何よりの証左である。
三島由紀夫は、およそ90年前に生まれ、日本という国家の膨張から挫折、そして戦後の躍進を共に生きた。この上演を通じて、三島由紀夫の物語の素晴らしさを地域に届けると共に、30年前に終わった昭和という時代について、あらためて考える機会ともしたい。優れた作家による優れた日本語テクストを俳優が語る、それを聞く観客の喜びは格別である。
<地域の実状やニーズ>鳥取はお能が今も盛んな地域である。本上演を通じて、古典芸能の愛好者と現代演劇が出会う機会ともなる。演劇の魅力を一層多くの人に知ってもらい、劇場のファンを増やすきっかけとしたい。