活動ファンド | The Okura Tokyo Cultural Fund |
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申請時期 | 第3回 |
活動地域 | 京都府 |
活動ジャンル | 美術 |
活動者名 | 特定非営利活動法人 The PASS 児童画の国際交流をすすめる画塾協会 |
活動名 | 第42回 児童画国際交流展 |
活動名(ふりがな) | だい42かいじどうがこくさいこうりゅうてん |
実施時期 | 2018年 6月 24日 ~ 2019年 4月 30日 |
会場 |
実施場所:京都市美術館別館 所在地 :京都府京都市左京区岡崎最勝寺町13番地 |
今年度の交流国スリランカ・イタリア・グアテマラ・中国・ノルウェー・アメリカ・スペイン・ミャンマー(難民キャンプ)・オーストラリア・タイ・ブータンそしてバングラデシュの12か国の子どもたちから届けられた404点と、日本の子どもたちの作品312点、作品総数716点の世界の子どもたちのアートによる こころのメッセージを、京都市美術館 別館に一堂に展示いたしました。
出品者である子どもたちは勿論のこと、たくさんの家族連れや海外からの方々、美術関係者や教育関係者、学生など大勢の方々が来場され、大変熱心に興味深く鑑賞してくださいました。
この3日間の入場人員は約1,500人でした。
ご観覧の方々からは「なんて心温かく、命に満ちた展覧会場でしょう!世界中の子どもたち一人一人の素晴らしいエネルギーが伝わって来ますね!」・・・といった嬉しいお言葉を沢山いただきました。
〈参加交流国〉
スリランカは、この展覧会への参加をテレビを通じ、スリランカ国内全土の子どもたちに向けて呼びかけられました。人々の暮らしの様子や子どもたちの生活を、力強く丁寧に描き込んだ色美しい力作が50点届きました。
イタリア ミラノの小学校からは、3年生の2クラスがフィボナッチ数列を、自分たちで育てたひまわりの花の種の配列から具体的に楽しく学び、その上で、自分たちをとりまく自然界の不思議さや面白さを各クラスそれぞれの異なる作品として表現した共同作品の大作が届きました。
また、ミラノの中学校の生徒たちがヴィバルディの曲“四季”から自由にイメージを広げて描いた共同作品は、子どもたちの制作風景やメッセージの映像ビデオとともに展示いたしました。
今回初参加のグアテマラからは、ソロラの子どもたちを支援している日本の「青い空の会」を通し、素直で明るい子どもたちの様子が感じ取れる美しい風景画や、暮らしの様子を伝えようと描いた絵、14点が届きました。
中国 珠海市の幼稚園からは、芸術教育に力を入れている様子を伝える教室の写真を添えて、いろいろな画材を使っての水彩画や貼り絵、サインペン画など、その恵まれた教育環境の中で楽しんで描いた作品が29点届きました。
3度目の交流ができたノルウェー オスロの幼稚園からは、子どもたちの素朴で愛らしい絵13点と、ノルウェーの国民的画家であるムンクの“太陽”を幼稚園児の屈託のないイメージで大きな布にドローイングした共同作品が寄せられました。
アメリカ シカゴにあるモンテッソーリ教育の幼稚園も今回初参加です。
この幼稚園では、いつもは自由な絵を描いていますが、ひと月に2回、美術の専門の先生による指導があります。今回はその先生の指導で世界の著名な作家の作品から子どもたちが自由な想像力を膨らませ、色彩豊かに描いた絵が30点届きました。
8度目の交流のスペイン カダケスの小学校は、今回のテーマ“やわらかな てん”から、全校の子どもたち168名が一人一個ずつの小さなダンボールをまるく工夫した作品を毛糸でつなぎ、吊るす共同展示の作品が届きました。毎回の交流展参加を喜んで、学校の行事となっているようです。
18度目の交流となるミャンマー(難民キャンプ)の子どもたちからは、自分たちの暮らしや美しい自然を描写して、そして未来への希望と望郷の思いも伝える30点の絵が届きました。
オーストラリアは10回目の交流となるメルボルンの幼稚園から、日々の心豊かな教育プログラムの中で、純粋な幼児の心があふれるように伸びやかに描かれたオーストラリア固有の植物や鳥たちの絵14点が届きました。“生き物を大切にしましょう”と幼児期からのエコロジー教育の大切さを伝えてきました。
タイ チェンマイの農村地帯からは初の参加です。自分の愛するタイの文化、人々の生活などを伝えようと、画面の隅々まで力を込めて元気に描いた絵13点が届きました。
ブータンも3回目となりました。美しい自然や村の文化を伝える絵3点が届きました。
絵画教育にも力が入っている様子が絵から理解できます。
そしてバングラデシュの障害をもつ人たちの施設「ラルシュ・マイメンシン」からは、絵の具、クレパス、色鉛筆など様々な素材で表現する喜びが伝わってくる絵8点が届きました。
日本のThe PASS所属の子どもたち156名(京都、大阪、滋賀)が「やわらかな てん」をテーマに、それぞれに工夫して取り組んだ絵や工作は会場を元気に楽しく彩りました。
また、日本の子どもたちの交流用作品156点は、今回も展覧会終了後に新たな交流と未来の平和を願って今回の交流国や世界の各地へと送り出すことが出来ました。
会場では、誰もが無料で参加できるイベント「アートひろば」が子どもたちで大変賑わいました。
小さな子ども連れの海外からの旅行者も多く、日本の子どもたちと一緒に楽しんでくださいました。
輪ゴムや洗濯バサミ、爪楊枝やたこ糸、そして紙類…など日常身近にあるような材料を用い、ぴょ~んと飛んだりスルスルと上り下りする“手作りおもちゃ”を、実際に自分の手を使って描いたり切ったり貼ったり・・・と工夫しながら、自分の閃きで、自分が「つくりたい!!」と思うものを、自由に楽しんで作ってくれました。
また、「尺八とチェロの演奏」では京都市美山在住のドイツ人ウベ・ワルターさんの生演奏の澄んだ音色が会場に美しく響き、たくさんの人々が聴き入りました。珍しい楽器ハンやギターの演奏もあり、ウベさんの楽しいトークやジェスチャーに笑いや拍手が絶えず、展覧会場がいっそう豊かになりました。
当会が2011年3月から取り組んできた東日本大震災支援プロジェクトから『元気です!福島のこどもたち』と題した今年度の支援活動報告のコーナーを設け、福島県いわき市の“久之浜児童クラブ、高久児童クラブ、キッズスマイルFPいわき”からいただいたお礼のメッセージや子どもたちの写真などの寄せ書きを展示して、これまで暖かいご支援をくださった方々やご来場の皆さまにお伝えしました。
世界の子どもたちの平和な未来を願うこの展覧会は、大勢の来場者の心に深い感動と共感を持っていただけ、無事に終えることができました。
各国の交流作品は、一点ずつ写真撮りしてプリント、一人一人の名前を記した賞状に添え、日本の子どもたちの交流作品と共に各交流国への返礼にと、EMS便で送り出しました。その荷には、The PASSからの参加お礼状(日本語と英語)、展覧会場の様子を伝える写真や文、展覧会場の様子を伝えるDVD、展覧会用印刷物(ポスター、チラシ等)、プレゼントの折り紙作品、各国担当者からの手紙等々も同封しました。
また、今回の交流作品は、今後の当会の活動に活かすため、作品ナンバーを付け、題名・作者名・年齢・性別・所属・作品サイズ・技法などをデータ記録した後、国別作品プレゼンファイルに大切に保管致しました。