活動ファンド | 芸術文化による災害復興支援ファンド GBFund新型コロナ |
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申請時期 | 2020年 第1回 |
活動地域 | 山形県 |
活動ジャンル | 映像 |
活動者名 | 認定NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭 |
活動名 | 山の恵みの映画たち2020 |
活動名(ふりがな) | やまのめぐみのえいがたちにせんにじゅう |
実施時期 | 2020年 1月 15日 ~ 2020年 12月 31日 |
会場 |
実施場所:フォーラム山形 所在地 :〒990-0039 山形県山形市香澄町2-8-1 |
11月27日(金)〜29日(日)の3日間、山形市内の映画館「フォーラム山形」を会場に、山岳文化や自然との共生をテーマとする特集上映企画「山の恵みの映画たち2020」を開催した。当初予定の9月開催から11月に延期を決定したのち、その日程に向け9月頃より準備を本格化させ、上映許諾交渉、ゲスト登壇者交渉、上映スケジュールの調整、ポスター・パンフレットの作成等を順次進めていった。最終的に、自然と調和した生活を目指す人々の記録映画や、民俗学的な示唆に富む劇映画、アニメーション作品など、多角的に山を捉える国内外の14作品を上映した。また、映画制作者や作品のテーマに関連する研究者を招きトークセッションを行なった。会場運営は当法人職員5名と、作品のセレクションから参加した市民ボランティアの方々によって担った。
3日間の参加人数(延べ)は、1日目(11/27:2プログラム上映):74名、2日目(11/28:5プログラム7作品上映+トーク):452名、3日目(11/29:5プログラム7作品+トーク):403名、3日間総計で929名の方にお越しいただいた。この時期の山形県内は新型コロナウイルス感染状況が比較的落ち着いていたため、予想より多くの観客を集めることができた。
日本人隊初のK2登頂を記録した『白き氷河の果てに』(11/28上映)では山形県在住の登山家飯澤政人氏が、科学ドキュメンタリー『粘菌/はじまりの知性』(11/29上映)では日本における粘菌研究のパイオニア川上新一氏が登壇し、専門家の知見に基づき作品の魅力を解説していただいた。山の安全を守る小屋番たちの奮闘を描いた『小屋番 涸沢ヒュッテの四季』(11/29上映)では同作監督の伊勢真一氏をゲストにお迎えし、制作にまつわるエピソードや、戦前から戦後にかけて作られた日本の山岳映画の歴史についてお話しいただいた。また、戦前の黒部峡谷を映像に収めた貴重な無声映画『黒部峡谷探検』上映(11/28)に際しては、作曲家鈴木崇氏によるバイオリン生伴奏を付けるなど、特集上映企画ならではの臨場感のあるプログラムを実施した。
これら上映後のトークは感染症拡大状況によりゲストの来場が困難となることを想定し、オンラインでも実施できるよう機材とオペレーションの準備をしていたが、結果的には予定通りの登壇がかなった。なお、感染症対策として、スタッフ・観客・ゲストのマスク着用、手指の消毒、検温を徹底して行った。
また、期間中は会場内に、山形県内在住の新進画家春原直人氏による、スイスアルプスの山をモチーフにした大判の絵画作品1点、写真家でもあるトークゲスト飯澤政人氏の写真作品6点をお借りして展示し、山という共通するモチーフを軸にジャンルを超えてアーティストたちが交流し、市民が地域の優れた芸術文化に触れる機会を提供した。
さらに、本開催に先立つ関連企画として、地域の歴史や文化の貴重な資料であるテレビ・ドキュメンタリーの良作を紹介するという意図のもと、地元テレビ局が製作した番組『原始の山を行く、 朝日連峰大縦走』を、やまぎん県民ホール3階スタジオにて11月13日(金)に上映した。2回の無料上映で、延べ41名が参加した。翌週11月20日(金)には、同じく関連企画として、当法人主催による山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー定期上映会「金曜上映会」にて、スイス・アルプスの酪農家の生活を記録した当映画祭過去コンペティション上映作品『アルプス・バラード』を上映した。こちらも2回の無料上映で延べ36名の方が参加した。
以上の取り組みの結果、新型コロナウィルス感染拡大により集客への影響が懸念されるなか、本企画・先行関連企画全体で、有料無料上映合わせて延べ1,000人を超える観客動員を記録した。