●世界演劇祭/テアター・デア・ヴェルト2023について
３年ごとに、ドイツの異なる都市で開催される世界演劇祭／テアター・デア・ヴェルトは、1981年の創設以来40年の歴史を持ち、ドイツのみならず世界の演劇シーンを代表する重要な演劇祭です。第16回目となる今回、史上初めて実施されたディレクター公募には世界30ヵ国から70を超える応募があり、半年におよぶ長い選考プロセスを経て、シアターコモンズを主催する芸術公社の相馬千秋（プログラム・ディレクター）、岩城京子（プログラム・アドバイザー）の企画提案が選ばれました。NPO法人芸術公社が「世界演劇祭／テアター・デア・ヴェルト2023」の日本側事務局を務め、日本から多数のプロダクションが参加しました。

●フェスティバル概要
会期｜2023年6月29日（木）～7月16日（日）
世界演劇祭 会場｜
フランクフルトとオッフェンバッハの２つの街の劇場、アートスペース、街中が会場となりました。
フランクフルト市内：フランクフルト市立劇場、ムーザントゥルム劇場、フランクフルト応用美術館　他
オッフェンバッハ市内：キャピトルシアター　他
参加人数｜約2万2000人

●プログラム
演劇、ダンス、音楽、VR/ARパフォーマンスなど、世界各地から36のプログラムが参加。日本からは、市原佐都子の『バッコスの信女―ホルスタインの雌』（欧州初演）、新作『弱法師』（世界初演）が世界演劇祭のオープニングとクロージングを飾る他、小泉明郎のプロメテウス３部作（『縛られたプロメテウス』、『解放されたプロメテウス』、『火を運ぶプロメテウス』）の一挙上演（いずれも欧州初演）、百瀬文『鍼を打つ』『Jokanaan』（いずれも欧州初演）『Social Dance』、サエボーグ『Super Farm』（世界初演）が参加しました。また、坂本龍一氏が音楽を手掛けたアピチャッポン・ウィーラセタクン『太陽との対話（VR）』を上演しました。
世界演劇祭では、「ヤング・ワールズ」シリーズとして、子どもや若者たちの視点を取り上げた作品を集中的に上演するとともに、主要会場の一つであるフランクフルト応用美術館が「インキュベーション・ポッド（孵化のさや）」に姿を変え、インタラクティブなインスタレーション、VRパフォーマンス、ワークショップなどを多数開催しました。