この作品の上演そのものや、作曲者による指揮、キャスティング等全体的に
注目される公演となり、地元だけでなく遠方からも沢山のご来場を頂きました。また堺市民会館が建替え工事中の為ソフィア堺での公演となりましたが、むしろ
このことで堺市内のお客様の層も広がり、初めての来場の方も多く見られました。また今年も千円席を設けることが出来、日頃オペラに馴染みのない方も多数来
場頂き、地域オペラ文化の裾野拡大が出来たと思っています。公演は、個々の人物像を浮き彫りにする演出により、作品の意図、世界観が会場全体を包み込んだ
二日間になりました。文学ファンからは「視覚的に観ることで作品の理解が深まった」と言う声を頂いたり、オペラ愛好家の方々からは、「初めて味わう感動
だ」、「公演の質の高さを感じた」等この作品を取り上げたことへのご高評、また今後への期待の声を頂き、初めてオペラを鑑賞されたお客様からは「熱演に感
動した」、「声の迫力に圧倒された」、「オペラをまた観ようと思う」等々感想を頂き、微力ながらオペラ文化の普及に貢献できたと感じています。また公演ま
での準備期間も含めて、出演者や関係者にとっても非常に有意義で充実した時間でした。彼らのこうした経験が今後のオペラ界にとって貴重な力になるものと確
信しています。貴協議会をはじめ助成団体様のお蔭を持ちましてソリストは勿論、オーケストラのメンバーや合唱など全てにおいてレベルの高い人材を揃えるこ
とが出来、公演全体の質が非常に高いものとなり、広く注目される公演となりました。全幕上演は約３０年振りとなり、上演機会の少ない邦人作品を取り上げる
ことは、当法人にとっても一つの挑戦ではありますが、今後も質の高い公演を提供することで、作品の価値を高め、邦人作品上演を有意義なものに出来るよう努
力致します。尚、本公演が音楽クリティック本賞を頂けたことを光栄に思い、重く受けとめています。ご来場総数は二日間で1,179名でした。