活動ファンド | 助成認定制度 |
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申請時期 | 2014年度 第2回 |
活動地域 | 東京都 |
活動ジャンル | 美術 |
活動者名 | THE MIRROR実行委員会 |
活動名 | THE MIRROR |
活動名(ふりがな) | ざ・みらー |
実施時期 | 2014年 10月 16日 ~ 2014年 11月 16日 |
会場 |
実施場所:名古屋商工会館 所在地 :〒104-0061 中央区銀座4-3-6 |
参加者数合計6112人(内、特別内覧会721人)
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総合ディレクター 清水敏男
パリ、ニューヨーク、ロンドンに比べて東京には現代のクリエーターの仕事を紹介する機会が不足している。今回の企画は、東京の中心でアート・文化イベントを実施すること、さまざまな分野のクリエーターたちの仕事を紹介すること、ハイレベルの知的刺激を生み出すこと、限定された、しかし知的好奇心に満ちた聴衆にアピールすること、そして地域コミュニティーとの交流、活性化を実現すること、を目的として実施した。
東京の中心である銀座に最適な場所を提供いただき、さらに資金的援助をいただいたことで実現することができた。メセナ活動をしていただいた各企業に深く感謝したい。
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出品作家 宮田彩加
THE MIRRORに出品できたことは、私にとって大きな転機でした。
今まで展覧会に見に行っていた “舞台の向こう側”にいた作家さんたちと同じ舞台で一緒に作品を展示させてもらえるなんて、夢のような機会でした。
生命力の力強さをテーマに糸で紡ぎだす私のインスタレーション作品を、戦火を乗り越えた建物内に展示することで、より一層のパワーをいただいたように感じました。
そんな貴重な展覧会に最年少で参加できたことをとても誇りに思います。
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出品作家 流麻二果
絵画で空間を制する、というテーマで制作をしている旬なタイミングで、あの80年の時間が刻まれた建物の空間に挑めた事は、私にとってとても重要な展示となりました。憧れていた作家さん方とご一緒させて頂き、一つの展覧会を一つの建物の中で構成出来た事は感激でした。そんな方々と会期中何度もお酒をご一緒出来たり、キュレーターのお人柄が滲むような、ホーミー且つ、鮮やかなコントラストの展覧会でありました。あの時間と空間が愛おしく、懐かしいです。
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出品作家 フランシス真悟
銀座の町の記憶がつまったビルで作品を展示した事がとてもおもしろかったです。今回は内田学さんとのサウンド作品とコラボレーションをさせていただいて新たな発見もありました。作品の展示スペースがレクチャールームでも会った事でレクチヤーの内容と作品が重なる体験も初めてでした。自分の作品の前で中西達之のパーフオォーマンスが特に素晴らしかったです。The Mirror Collection Boxもユニークなアイディアで、事件的な作品も発表することもできました。
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出品作家 堂本右美
美術館や画廊から飛び出し、一般の事務所ビルで開催されたMIRROR展は、私に新境地を与えた。「見せる」ものから「感じる」ものへ。
昭和の香りが漂うこの建物は、懐かしく感じられて愛着がある。聞けば戦前に建てられたとのこと。この建物がこれまで見つめてきたもの、そしていま私たちが見るものとは何か、を考えさせてくれるすばらしい機会となった。
こころはいつまでも少女のつもりでいても、もはや立派な中堅だと思い知らされつつも、たくさんの若いアーティストと一緒にお仕事ができたことも嬉しい体験だった。
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出品作家 尾関幹人
開催から時間が経ちTHE MIRRORを振り返りますと、たくさんの参加者、関係者、土地と建物、全てが貴重な経験であり、良い思い出になっています。展示を御覧いただいた多くの鑑賞者から、ご意見をいただいたり、中には新たな企画のお誘いを受け、出会いの機会にもなりました。人生で何度も銀座で展示をすることは少ないでしょうから、この経験を糧にして、今後も頑張っていきたいと思っております。ありがとうございました。
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出品作家 名和晃平 2015/4/19
久しぶりにCtalystを制作しました。
壁に直接描いたので、建物が取り壊される時に一緒になくなるでしょう。
ダンスのように、その時その場でしか見られない作品となりました。
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出品作家 フロリアン・クラール
Der Wanderer (Version I / Ginza Version)
(Video 10:00 min / 2014)
展覧会のプラン中、銀座にあるこのビルを訪れ、私は建物の完璧なまでのシンメトリーの間取りに魅了された。全ての部屋が何本かの軸により鏡のように左右対称になっている。この場所に呼応し、私のヴィデオ・プロジェクト「Der Wanderer」にも時間軸をもとにしたシンメトリーを加味することを決めた。二台のカメラは、鏡的な視点で同じ空間を同じ進路を辿り動いている。一方のカメラが正面を写している時、他方は同じ空間と位置を後方から捉えている。
「Wanderer」シリーズには、ロケーションと音楽の強い関係性が存在している。ある楽曲は鮮明な映像と立体的な物語性を内包している。私は音楽を聞きながら田園や街を散歩することが好きだ。なぜなら、楽曲が周りの空間を知覚するための青写真となるからだ。まれな状況ではあるが、私が歩いた場所と音楽が、私の中で切り離すことができないほど繋がってしまうことがある。この場合、30年後にその音楽を聴いたとしても、その場所は常にそのままであり、状況や空間、匂いさえもよみがえる。「The Wanderer」シリーズで使用した場所と音楽は、このようにすべて私の中で繋がっている。
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出品作家 トラフ建築設計事務所
取り壊しが前提のイベントとあり、私たちも今ここでしかできないことができればと考えました。どこにでもある様なミュージアムショップを作るのではなく、この場所のために参加アーティストに作品を製作してもらうことで、特別なショップになったと思います。自分たちだけではなく、出展者の皆さんとつくりあげた空間です。
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出品作家 隈 研吾
古い建物というのは、不思議なパワーがあります。人間が長い間使っていると『なにか』が宿るのでしょう。その『なにか』を形にしようとしましたが、うまく呼び出せたような気がします。
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出品作家 タムラサトル
銀座でこのメンバーでこの規模の展覧会は奇跡的でしょう。そこに参加できて本当にうれしかったです。今回の《白熱灯のための接点 #16/2014年制作》は2005年あたりから続けてきたものですが、10年目にして最もシンプルでわかりやすい展示ができたかなと思っています。
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出品作家 枯山水サラウンディング / 内田 学 (クリエイティヴ・ディレクター)
昨年、秋に開催された銀座The MIrror展に気鋭の作家に加えていただいたことは枯山水サラウンディングにとって大きな意味のあることでした。モダンなビルの居並ぶ銀座の一角にある昭和の趣を色濃く残した佇まいの趣のある場所で、参加作品のなかで唯一、音のみをフィーチャーした作品、「合わせ鏡」は、来場者の音をリアルタイムで収録し、あたかも向い合せた鏡のように音の残像とモアレを作りだすことができました。会場の雰囲気にならって、もし来場者の方に過去と現在の時間軸のようなものを印象に残すことができたなら、これは作家冥利に尽きます。こういった意義のある展覧会に今後も積極的に参加していきたいと思う次第です。
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出品作家 三好賢聖
素晴らしい作家陣と精巧なキュレーションによって、一つの展示として紡ぎあげられていく過程を、その内側から経験できたことは非常に大きな喜びでした。特にスタッフの方々がとても協力的で、設営を通して大変お世話になりました。心から感謝しています。
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出品作家 小松宏誠
私はアートの展覧会は日常空間から離れた体験をする事が重要だと考えているのですが、今回はエントランスという日常との境目という面白い場所に展示させていただきました。こういった面白い場に飲み込まれず、こちらから仕掛けれられるように、さらにアーティストとしての実力をつけたいと思います。
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出品作家 内田繁
近代合理主義が崩壊して久しい。ルイス・マンフォードは近代合理主義を「力・速度・標準化・大量生産・組織化・制度・画一性・規則正しさ」などで構築した。それは「弱さ」を克服して「強い社会」に向かうものだった。そして20世紀末には地球の環境問題、経済不安定、食物汚染など多くの問題をつくりだした。デザインも同様で近代合理主義に該当しないものは抹殺され、多くのものを失った。たとえば伝統、歴史、習俗、意匠、装飾、文様など。近代が捨て去った「弱さ」とははたして否定的なものだったのだろうか。この展覧会の目指したものは、あらゆる角度から今日文化を考えたものであった。
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出品作家 藤森照信
戦前の小さなビル全体を使った展示がとても面白かった。各階各部屋を順に巡りながら、次は誰のどんな展示があるか、まるで迷路の中の宝探しみたいでワクワクした。
心に残ったのは松岡正剛の部屋で、松岡さんが人というよりは本と化した人であることがよく分かった。
李禹煥、中西夏之のような“長老”がどこに収束してゆくのか、そんな歴史的関心も満たされて嬉しかった。
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