活動ファンド | 東日本大震災 芸術・文化による復興支援ファンド GBFund 東日本大震災 |
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申請時期 | 第11回 |
活動地域 | 岩手県 |
活動ジャンル | 文化財・歴史的建造物 |
活動者名 | 文化財保存支援機構 |
活動名 | 「陸前高田学校」~被災地の文化・記憶遺産継承のための人材育成事業 |
活動名(ふりがな) | りくぜんたかだがっこうひさいちのぶんかきおくいさんけいしょうのためのじんざいいくせいじぎょう |
実施時期 | 2015年 4月 1日 ~ 2016年 3月 31日 |
会場 |
実施場所:陸前高田市立博物館、岩手県立博物館 所在地 :〒029-2201岩手県陸前高田市矢作町字二田野55 〒020-0102岩手県盛岡市上田字松屋敷34 |
会 期:2015年7月27日(月)~8月2日(日)
会 場:2015年7月27日(月)~8月1日(土) 陸前高田市立博物館
2015年8月2日(日) 岩手県立博物館
参加者:被災区域;4名 被災区域外;4名 陸前高田市立博物館職員;17名
東京国立博物館アソシエイトフェロー;4名
講 師:延べ14名
講義形式:特別講義;1コマ、座学;4コマ、実習;6コマ、見学;2コマ、その他ディスカッションなど;1コマ
事業概要:東日本大震災で多くの文化財が被災したことを受け、被災地の博物館を会場とし、文化財の危機管理を学ぶセミナーとして24年度から継続開講している。対象は、全国からの受講生に加え、被災区域の文化財保存従事者を受講料無料で受け入れている。カリキュラムとしては、環境についての座学に加え、昨年同様紙と民具、繊維の安定化処理を中心に実習を行った。加えて気仙大工の建築として有名な閑董院宥健尊師堂気仙大工、伝承館を訪問、地域の文化を実見する機会とした。最終日には盛岡の岩手県立博物館を訪れ、当機構会員が行っている被災文化財の修復作業を含め、被災地の基幹博物館として同館が行っている活動を研修した。
達成度・効果・反響等: 今回は安定化処理作業だけではなく、「民俗資料の実測図作成」など、保存に付随するさまざまな作業を学習してもらった。また、昨年度途中で終わってしまった染織品の応急処置についても、充分時間を取って行い、好評であった。自衛隊によりレスキューされたカッコ船も野外に持ち出して洗浄を行った。炎天下の中の作業ではあったが、皆熱心に取り組んでくれた。実際に被災した資料の経歴を知った上で、今行っている作業が今後この資料を活かしていくことにつながるという実感から、とてもやりがいのある作業であったと受講生のひとりは話していた。
こうした基礎的な学習に加え、閑董院宥健尊師堂、気仙大工伝承館を訪問、かたりべの学芸員から震災当時の生々しい惨状を伝えてもらった。被災地の現実的な情報をインプットした後、最終日には平時からの文化財保存の心構え、特に悉皆調査についてワークショップを行った。ワークショップには、国立文化財機構 防災ネットワークのアソシエイトフェロー4名も加わり、活発なディスカッションを行うことができた。
最終日は岩手県立博物館において、岩手県の包括的な取組みを聞き、当機構会員が従事している陸前高田市立博物館被災資料の安定化処理も見学した。こうした取組みにより、当セミナーでの研修が社会に活かされていく事例を実感してもらうことができたと思う。