九州地域の劇作家の育成や地域演劇文化をより広く一般の市民に拡げることを目的に、九州に拠点を置いて活動する劇作家の優れた作品に顕彰を行っています。
一次審査員から戯曲に対する講評を受けることで、二次に進まない場合でも専門の劇作家からアドバイスをもらうことができる本企画により、劇作家育成の効果が生まれています。
戯曲賞は関西圏より東に集中しているため、九州戯曲賞を継続することで、九州の劇作家のモチベーションの向上や九州地域の演劇レベルの向上を図っています。
また、大賞作品はリーディング公演やトークイベントを開催することにより作品の周知を行っています。

九州に拠点を置いて活動する劇作家の優れた作品に顕彰をおこなうため、九州にある地域演劇の振興事業を行なっている公共劇場等および各地域で地域演劇の支援を行なっている団体の協力を得て、広く九州から戯曲を公募。
審査の結果大賞　河野　ミチユキ（熊本熊本市）『チッタチッタの抜け殻を満たして、と僕ら』を大賞とした。

第7回九州戯曲賞
■審査結果
大賞　河野　ミチユキ（熊本熊本市）『チッタチッタの抜け殻を満たして、と僕ら』
■最終審査員
岩松了　中島かずき　横内謙介　岩崎正裕　前田司郎

九州で唯一の本格的な戯曲賞ということで、今年も九州各地から多数の応募があった。九州の劇作家にとって、身近にある九州戯曲賞は、明確な目指す目標となっている。
全国で活躍する最終審査員から直接講評が聞ける、という現在の九州では少ない機会を設けることで、最終審査に選考された劇作家の育成の仕組みづくりを引き続きおこなった。最終選考にもれた劇作家も、一次審査員からの講評を受け取り、今後の創作の助けとすることができるような仕組みづくりを継続している。今後も、九州戯曲賞が九州の劇作家のモチベーション向上につながり、戯曲のクオリティの今後さらなる向上の要因となることを期待する。
また、「九州戯曲賞」という県域の越えた地域での戯曲賞は全国的にもめずらしく、今後も続けていくことで九州の地域演劇の一体感をより醸成していければと考えている。