【写真教室】
■実施日 6月14日
■参加人数 25名
■参加者や関係者の声
いつも写真を撮る側の私がモデルに初挑戦です! モデルとはカメラマンの指示に従い、ただ撮られていれば良いと思っていました。 やってみて分かった事は、表情や体の角度等、指示に従うことが案外と難しい事と、カメラ慣れしていないと表情も上手く作れないという事。 カメラマンの皆さんには物足りなさを感じさせてしまった様な...。 単なる風景写真もポッと人が入ることで印象が変わります。 モデルが写真に果たす効果、役割の大きさに気づいた良い経験となりました。(20代 女性)
■活動を終えての感想
今回、中之作プロジェクトでの「港町の人と風景の写真コンテスト」に参加させていただきありがとうございました。 審査に関わらさせていただいて、また新たな発見がありました。 昨今、デジタルカメラはもう十分すぎるほど高画素数化し、超高感度撮影も出来るようになり、あらゆるシーンに対応できるようになりました。でも、いい風景、いいシーンにたまたま出合わせた時に、持っていなければ何の意味もありません。逆を言うと、簡単に撮影できるスマホでも、持っていればいつでもいい写真を切り取るチャンスがあります。 今回、そんな面もよく現れたコンテストとなりました。初めてパネル張りされた自分の写真を見た方も多かったと思います。写真展に行くと、その絵は何で撮ったかはもう関係ありません。そこに映し出されているシーンがおのずと語ってくれます。カメラはその表現のための一道具です。 また次回、江名、中之作の人々の魂をパネルから感じたいと思いました。
(写真教室講師 倉谷氏)
■寄付者メッセージ
第一回の時から参加者として関わらせてもらいましたが、今回は寄付をさせていただきました。今年の写真撮影会は港街と人物という事で、どの様な感じに撮影したら良いのかと考えながら参加しました。 漁港と青い海そして青い空・・・ 浴衣姿の女性がモデルとなって中之作の町並みを撮影しましたが、人物撮影は初めてだった為結構難しい撮影会でした。 それでもプロのカメラマンが同行して色々と教えて頂きながら楽しく撮影出来ました。 中之作の夏の風景とモデルさんがマッチしていてファインダーを覗きながらもワクワク撮影出来た感じです。 室内撮影では清航館の2階の自然光がモデルさんをより一層引き立てた感がありました。 今後も継続させてもらいたいイベントです。(地元企業)
■今後の課題など
今回は港まちと人物をテーマに写真教室と写真展を企画しました。 写真教室は、4人のモデルさんと町中と清航館の室内で人物を中心にした撮影を行いました。モデルさんを生かしながら風景や古民家の背景を切り取る作業は、指導しながらも、新しい発見があり港まちの懐の深さを感じました。参加者の皆さんも普段の港まちとは異なる発見が出来たと思いました。 写真コンテスト、写真展は同じテーマで開催しました。人物を入れた風景と言うテーマのせいか?皆さん悩んだようでしたが、様々に切り取られた写真が集まりました。倉谷先生とも同意見だったのですが、カメラのスキルを重視した作品と構図を重視した作品に分かれていて、受賞作品の選定ではテーマに合った写真を選考しました。賛否もありますが今回の最優秀作品賞は自然に切り取られた港まちの営みがそこに表現されていました。技術的には足りなさもありましたがそれに勝る構図がありました。他の作品も伸びしろが感じられ、これからの作品に期待が持てるものばかりでした。 また皆さんと港まちでお会いする時を楽しみにしています。(写真教室講師 志賀氏)
■アンケートより
・今年は人物でしたが、毎年テーマを変えてほしい
・冬場もあると、また違った姿を撮ることができるので良いと思う
・男性向けの印象があるので女子目線の写真教室を希望します
・もう少し明るくできれば。顔を明るく撮りたい
・中之作に感じる夢をテーマに
・年に1度と言わず定期的に開催してほしい
・街歩きできるのが良かった
・また参加したい
【写真コンテスト】
■実施日 7月1日〜8月23日
■参加人数など 応募52作品 展示期間中の来場者延べ約200名
■参加者や関係者の声
写真コンテストなど無縁だった私でした。人物を入れた中之作の写真ということで、思い当たる風景が一つありました。中之作らしい景色にドラマを織り込んだ写真が撮れそうに思い撮ってみました。現実は厳しく、思いと撮れた写真は別モノでした。誰もが気軽に応募できると云うので応募しました。勿論賞には入りませんでしたが、自分の撮った写真をパネルにしていただき展示され、私の元に送られて来たことが大変嬉しく、「今度こそ‥‥」の気持ちになりました。(いわき市中之作在住 男性)
■活動を終えての感想
歴史ある古民家で本格的な写真展の設営をとのミッションを頂きました。美しく黒光りする柱や建具を傷つけることなく写真パネルが映える白い壁をどうやって作ったら良いのか、 難題ではありましたが、スチレンボードをマ ジックテープでとめる事で解決。50数点の作品は頂いた写真データを大型インクジェット プリンターで出力しA3サイズにカットした アルミ複合板に貼りノンフレームで展示。 スタッフの知恵と力を出し合い素晴らしい手作りの会場が完成した事とても嬉しく思います。(設営協力 トライアート)
■寄付者メッセージ
震災後、多くの皆さんと同様に地域における自分の役割とかを意識するようになりました。年齢的にも地域貢献の方策を考える日々が続きました。 そんな折に以前から親交のあった豊田御夫妻がこの地でプロジェクトを展開なさると伺い、自主的なアクションを起こせずとも間接的な援助とかは可能ではなかろうかと考えるに至りました。 多くの皆さんに門戸を開く撮影会・写真展はまさにその好例で、微力ながら応援させていただいた次第です。
(地元企業)
■今後の課題など
港町と人との関わりに焦点をあてたテーマで作品を一般公募しました。昨年までの違いとして、展示作品をパネルにし、スポットライトを使用するなど、展示スペースに統一感を持たせる工夫をしました。暮らしの中の一コマに共感する作品も寄せられ、港町の良さを再確認できました。しかし、作品制作の一助として写真教室も共催しましたが、作品応募に至らなかった参加者もいましたので、何かの工夫が必要です。今後も生活の中に、楽しみを発見・共有できる写真文化普及の一助になればと考えています。(写真教室・写真展スタッフ 男性)
■アンケートより
・テーマ・分野で分けてほしい。内容で不平等に感じた
・花火などの季節感をとり入れたり、地元のPRを兼ねたテーマにしてほしい
・様々な写真がありとても素晴らしかった
・江名・中之作に限らない写真展
・それぞれの思う写真展を開催してほしい
・続けてほしい
・二階でも写真が見られたらいい
・サイズを合わせた展示は良かった
・写真が多いとうれしい
・次回は写真教室に参加、応募をしたい
・今回みたいな開催で良いと思う、満足、このまま等
・オーディエンス賞に選ぶ作品は2〜3枚選べるといい。絞り切れない
【活動背景】
福島県いわき市中之作地域は、古くから栄えた小さな港町で、船主の立派な建物が数多く残る美しい風景がありました。東日本大震災により津波被害を受けましたが、津波の向きや生活道路の高さなどが幸いし、倒壊に至る建物がほとんどなかった極めて稀な場所です。
しかし被災建物の無償解体制度と、震災前から存在する高齢化・過疎化・少子化などの社会問題とが重なり、再生可能な建物まで修復を諦めてしまい多くが解体されました。現在も建物解体は続いています。
震災により周辺の港町が壊滅的なダメージを受けている中で、中之作地域に残された風景がどれ程貴重なのかを地元の方はほとんど自覚していません。壊す前に残して活用する仕組みづくりが早急に必要だと考えています。
今後この地域で高齢化が更に進むと、深刻な空き家問題が発生し、それらは解体され多くが駐車場となることが予想されます。震災を免れた東北の港町はそれだけで貴重で、この風景を次の世代に残して活用する仕組みが必要です。
若い世代にこの地域に興味を持ってもらうことと、地域の皆さんに中之作が抱える問題点を理解いただくために、空き家問題と町の魅力についてアピールする必要があります。
中之作プロジェクトは、この町で解体が決まった江戸時代の建物を買い取り住民参加で再生し、地域のコミュニティースペースとして活用する実績を持つ団体です。町の魅力を掘り起こす仕組みづくりを行い、その情報を地域内外で共有し、港町の美しい街並みを後世に残し伝えたいと考えています
【活動内容】
港町の人と風景写真コンテスト
当プロジェクトの拠点となっている港町、中之作地区の風景写真教室及びコンテストを震災後2年に渡って行ってきました。会場は、津波被害のあった築200年の古民家を利用しています。今年も開催を予定しています。
コンテストを行う事で、この地域に来る「人」を増やし、魅力を知ってもらう事が目的です。
港町の写真教室
写真コンテストを行う宣伝の一環として、プロのカメラマンをお招きして写真教室を開催します。
中之作の港町を講師と共に歩きながら写真の指導を受け、会場となる古民家にて撮った写真を映像に映しながら講評をもらいます。外部から来た方が地元の方とのコミュニケーションのきっかけを作れたらと考えています。
今回で3年目となる港町の風景写真コンテスト・写真教室は、より多くの方に参加してもらう事によって、この港町の魅力を感じてもらい、貴重な港町の風景の保存につなげる事を目的としています。