活動ファンド | 助成認定制度 |
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申請時期 | 2016年度 第1回 |
活動地域 | 愛知県 |
活動ジャンル | 美術、音楽 |
活動者名 | 今井智景 |
活動名 | 音楽と写真と映像の作品「シネクドキズム II<コンティニュイティー>」の日仏公演 |
活動名(ふりがな) | おんがくとしゃしんとえいぞうのさくひんしねくどきずむにこんてぃにゅいてぃーのにちふつこうえん |
実施時期 | 2016年 9月 25日 ~ 2016年 11月 25日 |
会場 |
実施場所:①愛知県芸術劇場小ホール ②Espace K. Nous 所在地 :①愛知県名古屋市 ②フランス、ストラスブール |
作曲/今井智景
写真/たかはしじゅんいち
映像/ボヴァーホフ・マーティン
舞台美術/伊藤雅子
演奏/ミアコ・クライン、サヴァ・ストイアノフ、ダビッド・ハラー
<日本公演>
「あいちトリエンナーレ2016舞台芸術公募プログラム」選出プロジェクト
今井智景
音楽と写真と映像の作品
シネクドキズムII<コンティニュイティー>
2016年9月
9日:映像作家Martin Boverhofと京都で制作調整
21日:映像作家Martin Boverhof名古屋到着→制作調整
22日:演奏家Miako Klein(リコーダー)、畑中明日香(打楽器)名古屋到着→リハーサル開始
23日:演奏家Sava Storianov(トランペット)名古屋到着
愛知県立芸術センター中リハーサル室において全体リハーサル
24日:別スタジオで全体リハーサル
25日:愛知芸術劇場小ホールにて公演
会場には映像で使用した指定文化財である能面2点と他魚町能楽保存会が所有する4点計6点の能面の写真を展示。写真は写真家のたかはしじゅんいち氏によるアート作品です。
以降、フランス公演に向けて作品の調整を継続
<フランス公演>
Hanatsu-miroir定期公演「MASQUE Chikage Imai」
場所:Espace K. Nous (ストラスブール)
2016年11月
14日:リハーサル開始
17日:17時半: ストラスブール・パレ大学アート学科にて今回の公演と作品について講演
18日:午前中: 現地小学生たちを対象に子供のためのコンサート(夜の公演と同じ内容)、
20時半:コンサート
19日:ストラスブール→アムステルダム
20日-28日:Born Digital アーティスト・イン・レジデンス
<フランス公演内容>
今井智景ポートレートコンサート「マスク Masque」
1. Five for the circle (2009/2010/arr.2016)
(Ensemble Hanatsu –miroir 用に編曲した作品)
2. 新作「MASQUE」(2016)
3. 音楽と写真と映像の作品シネクドキズムII<コンティニュイティー>(2014-2016)
※1〜2は Hanatsu-miroir アンサンブルによる演奏、3は打楽器奏者以外(申請時に決定していた演奏者)日本公演と同じメンバー*
* Hanatsu-miroir による国際交流プログラムの一環で、このプロジェクトがパッケージごと招待されました。
現代アートと比べて実態のない音楽は、抽象的過ぎて難解という印象が強いので敬遠されがちです。そこで音楽と人々を結びつけ、舞台芸術における新しい側面を見つけることにチャレンジした音楽と写真と映像の作品「シネクドキズムII」の公演を行い、現代音楽に触れてもらうべくこの事業を企画しました。
公演は、日本では愛知県で行われるあいちトリエンナーレ2016「舞台芸術公募プログラム」として、フランスではストラスブール市で芸術団体Hanatsu-miroirによって開催される「今井智景ポートレートコンサート」の中で行われます。
作品は、音楽と写真と映像による多分野に渡って表現するクロスメディアアートになっており、日本の伝統芸能「能」の上質な美と美意識が生み出す緊張感を伝える新感覚の舞台芸術です。映像には、愛知県指定文化財で17世紀初期当時の「天下一」の称号をもった能面打師の是閑(1526?-1616)と河内(1581?-1657)による能面2点を豊橋市魚町能楽保存会の協力のもと、特別に撮影させていただきました。
お能の面「増女」「般若」を様々な角度から400枚以上撮影し、それらを組み合わせて最先端の映像技術モルフィングやモーショングラフィックを使って作成された映像と共に音楽を生演奏します。 作曲家 / 今井智景をはじめ、国際的に活躍するアーティストが手掛ける本作品は、世界有数の現代芸術祭やコンサートホール、演奏家たちから注目されています。
公演を応援してくださる企業様の協賛をお待ちしております。
<活動実績>
「シネクドキズム II」は、あいちトリエンナーレ2016での公演が世界初演となりますが、同シリーズの第1作目となる「シネクドキズムⅠ<インパルス>」が同アーティスト達によって、2008年オランダのスイテ音楽祭で、2011年には名古屋市の第1回中川運河キャナルアートメインイベントとして発表されました。
<開催概要>
⚫︎ あいちトリエンナーレ2016「舞台芸術公募プログラム」
2016年9月25日(日)
愛知県芸術劇場 小ホール
主催:シネクドキズム実行委員会
共催:あいちトリエンナーレ実行委員会
助成:私的録音補償金管理協会(sarah)
協力:Seainx project、豊橋市魚町能楽保存会
⚫︎ Hanatsu-miroir定期公演「今井智景ポートレートコンサート」
2016年11月18日(金)
Espace K. Nous(フランス・ストラスブール市)
主催:フランスのアーティスト団体Hanatsu miroir
助成:私的録音補償金管理協会(sarah)
協力:Seainx project、豊橋市魚町能楽保存会
https://youtu.be/aRRVrdkBizM
上記のサイトで作品のトレーラーをご覧いただけます。
<公演内容>
音楽と写真と映像の作品「シネクドキズムII 」
Synecdochism II
(公演時間:約1時間 )
音楽・監督:今井智景
写真:たかはし じゅんいち
映像:マーティン・ボヴァーホフ
舞台デザイン:伊藤雅子
出演::ミアコ・クライン(リコーダー)
サヴァ・ストイアノフ(トランぺット)
ダビッド・ハラー(打楽器)
<作品内容>
好奇心を持って「知りたい」という欲求をかき立てられるのはどんな時なのか。その欲求を満たしている間は、高い集中力でターゲットに神経を注いでいるはずです。その応えを日本の伝統芸能「能」に求めて生まれたのがこの「Synecdochism II 」です。
能は、とても抽象的な表現方法で物語を語りますが、そこに存在する緊張感とそのパワーには圧倒されます。能には、所作、身につける面や装束、また舞台上のキャラクターの役割、お囃子、そしてそれらの関係性などたくさんの意味を持った型があります。しかしながら、その姿や形、あり方は、舞台上ではとてもシンプルに存在していて、場面の変化や演者の動きは、ただ見ているだけは読み取ることが出来ません。それは、歌舞伎や西洋のオペラに比べてずっと抽象的です。そういったシンプルさは、むしろ観客に余白を与え、彼らはそれぞれの場面を自由にイメージし、デザインすることが出来ます。逆に言うと、能を鑑賞する際には、物語の内容だけではなく、先述した所作や言葉の意味を知っておく必要があり、その物語を受け取るために想像力を働かせ集中しなければなりません。このような能動的な姿勢が人間の知覚をより繊細に磨きをかけていくのではないでしょうか。それは、「シネクドキズム」が探し求めている「心と知覚と身体の関係性」に近づくためのとても参考になる芸術作品のあり方です。作品に能全体を取り入れるのではなく能面だけに焦点を絞ったのは、能面そのもの、そして能面の動きだけでも先述した緊張感とパワーが強く存在しており、また一点に絞ることによって、より色濃く能の美を表現出来ると考えたからです。
能演目「葵の上」のストーリーをなぞり、お能の魅力に迫ります。
<シネクドキズムⅠについて>
シネクドキズム・プロジェクトの第1作目『シネクドキズムⅠ』は、空手の形を見て受ける衝撃によって心を乱し、音楽がその呼吸を整えるという構成で、音楽と映像、舞台美術によるクロスメディアアート。
<タイトルについて>
修辞学の中に「提喩(シネクドキ)」という隠喩のひとつがあります。歴史や風土、文化などが背景に含まれる表現を使った修辞方法は、日常会話の中にとても自然に溶け込んでいますが、提喩表現を含んだ言葉には美しさがありその会話はとても魅力的に映るでしょう。それは想像力が刺激されて脳をより活発に動かしているからではないでしょうか。まさにこのプロジェクトが目指す作品像です。