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活動者の声

「海に沈んだ写真の記憶」(短編ドキュメンタリー・20分)

活動期間2011年 6月 1日 ~ 2011年 8月 31日

活動をしてみて

映像の制作過程で感じたことは、ボランティアをする日本の若者たちの新しい価値観や現地をサポートする難しさです。写真を洗って持ち主に戻す行動は、一見瓦礫撤去などに比べると軽いボランティアのように見えますが
その作業は実に地道で、毎週東京から東北の現地に入る人々には強い心意気を感じました。そういったものを映像に納めるよう努めました。写真を通じてその土 地の文化や人のつながりを留めようとする活動を通じ、写真というものが象徴する人々の記憶が、いかに人が生きていく上で大切であるのか。そこにボランティ ア活動の重点を置く日本人たちの考える「心の復興」が今回の映像制作の大きなテーマとなりました。また、この活動を映像で記録し、多くの人に見せること で、大きな悲劇の後に人がこんな風に支えることができる、といった良い具体例を提示できるのではないかと思います。

 制作の過程で、ボランティア団体がより多くの参加者を必要としているという状況を聞き、今回の短編をボランティア活動の説明にも使えるものにしま した。その結果、ボランティア団体の方々からは、映像で見せることにより、彼らの活動がより明確に伝わりこの映像が多くの人々が参加してくれるきっかけに なったとの言葉をいただきました。ある意味、私たちはこの映像制作を通じてこのボランティア活動に参加しているのだと思わされました。
 この短編をきっかけとして、今後同じテーマの長編制作へとつなげることができるように努め、展開していきたいと考えております。

 この短編をきっかけとして、今後同じテーマの長編制作へとつなげることができるように努め、展開していきたいと考えております。

100人の笑顔を届けるプロジェクト

活動期間2011年 6月 1日 ~ 2011年 10月 1日

活動をしてみて

被災状況や支援や救援状況が最も悪い地域を中心に活動いたしました。
みなさん震災により、思い出の写真を失った方が多く、新しい思い出づくりに大変役に立てたように思います。

時期的に、まだ笑顔の写真が撮れないといった方も中にはいらっしゃいましたが、やっと気持ち的に写真を撮れると喜んでくださる方がほとんどでした。

炊き出しや救援物資、ヘアカット、ネイルなどのサービス提供も同時に開催するなどして、皆さんに集まっていただき、また会話などするうちに打ち解けて、みなさんがきれいになったところで笑顔の写真を撮らせていただくことができました。

髪や爪をきれいにした奥さんと笑顔で写真を撮られる旦那さんがとても印象的でした。

また、思い出の写真が本当に奇跡的に見つかった方の写真を撮りなおして、なんとか復元したりと、写真の新しい可能性や、この企画の新しい方向性なども発見できたように思います。

「希望の鼓」 雄勝中学校和太鼓支援プロジェクト

活動期間2011年 6月 1日 ~ 2011年 11月 30日

活動をしてみて

津波によって中学校全生徒が地域を離れ仮設住宅に暮らす中、楽器も地域指導者もいない状況下で、地域・学校・生徒に大変喜んで頂いた。和太鼓の力によっ て、子供達は未来に向かって希望をつかみ、歩み出した。学校・生徒さん側からの要望として、今後は地域芸能の継承と同時に、この震災を受けてからの再出発 への新曲(オリジナル)がほしいと望まれています。

ありがとうございました。

TohokuCraft

活動期間2012年 4月 1日 ~ 2012年 12月 31日

活動をしてみて

最初の避難所に伺っていた頃(5月~9月)は、大きな不安と混乱のなかで、つかの間ですが、心の安らぐ時間を被災された方々と一緒に過ごすことができま した。避難所には枕が支給されていないと聞いていましたので、数種類の枕と枕カバーを作るための材料を持っていくことから私たちの活動は始まりました。ま た、季節は暦の上では春になっていましたが、石巻はまだまだ寒いと聞いていましたので、毛糸もたくさん持っていきました。
 避難所には震災前に編み物をやっていらっしゃった方がたくさんいて、「ここ(避難所)でこんなこと(編み物)ができるなんて思ってもみなかった」と喜ん でいただきました。避難所の一歩外は、建物が傾き、ガラスが割れたままになっている、街全体が廃墟になっているという状況でした。慣れない避難所生活で明 日のこともわからないという緊張のなかで、そのときは、ただただ編み物の目を増やしていくという単純作業で、それまで心を占領していた不安や恐怖から離れ て気持ちをほぐし、自分自身の時間を取り戻していただけたようです。
 また、人数の多い避難所では、顔は知っているけれど、名前もわからないという方がいました。会で一緒に縫い物や編み物をしていただいたことで、言葉を交 わし、お互いの作品を見せあいながら、新しい友人を作る機会にもなったようです。また、私たちも一緒に手を動かしながら、参加者の方からどうやって震災後 の数日を生き延びたのか、さまざまな体験をお聞きしました。見も知らぬ私たちのようなものだからこそ、言いやすかったかもしれません。言葉にして吐き出し ていただくことで、少しでも悲しみや不安をヤワラゲテいただけていたなら、と思います。
 会では、津波ですべてを失った方が、支援物資のなかからとりあえず着られるもの、使えるものを選ぶのではなく、自分の好きなものを好きなように作るとい うことで、「自分」というものを取り戻す機会にしていただけたように思います。また、自分で作ったものを家族や友人に贈る方もいらっしゃいました。ものを 自分の手で作るということは、道具を作るということだけでなく、日常生活とコミュニティの未来を自分自身の手で作るということの小さな小さな一歩になりう ると思いました。これがまさに芸術や文化が持つ力だと身を以て感じました。この力を今後も継続することが重要と考えており、二度目のご支援もいただけたこ とは現在の大変大きな助けになっています。
 全5回の訪問のさまざまなエピソードに関しては、ホームページで公開しているものをご参照ください。

ARTS for HOPE アートプロジェクト

活動期間2015年 4月 1日 ~ 2016年 6月 30日

活動をしてみて

特定の地域も対象を限定することなく、子どもから高齢者まで、被災したすべての人たちの心の元気を応援し、心の復興を担う事業として、目標を大幅に上回る活動を行うことが出来ました。全身を使ったペインティングや願いをこめたオブジェの制作、アートキャンプを通して、たくさんの笑顔が生まれました。アートならではの色彩豊かな空間と、夢中になれるひと時が心身のリフレッシュや気力の回復につながり、温かなコミュニケーションを育みました。訪問施設からは喜びの声や再訪の要望を数多くいただいており、心の応援を目的とした活動の成果をあげることが出来ました。特に支援学校の反響は大きく、宮城と福島の数校を巡回しました。2016年の熊本地震発生後も、東北での応援活動の経験を活かし、早くから避難所の支援に入ることが出来ました。

東北のメッセージを伝える展覧会には、作品を出品した仮設住宅の住民さんが予想以上に多く来場し、開催を心待ちにしていたこと、自身の作品が展示されることへの期待感や大きな喜びが伺えました。また、展覧会の開催は被災者の思いを“発信する”ことが大きな目的でしたが、多くの来場者が自身の被災体験や思いを語る場にもなりました。展覧会場が“思いを受け止める場“として機能し、話すことで気持ちを整理し、消化し、気持ちを前向きにはこぶための“場”としても、大きな役割も果たしました。内陸部や都内の展覧会では、著しい風化の一方で、今も被災地への関心が持続していることを確認できました。全国・世界中からの来場者に、被災地からメッセージを発信出来たことは、忘れられていくことが置き去り感や悲しみにつながっている被災者にとって、心の復興へ新たな一歩を踏み出す力になったと考えています。

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