MMCJは今回で通算23回目、2001年創設以来19年間開催続けた事業ですが、2020年の世界的新型コロナウイルス感染症の影響によりこの年はやむなく中止となりました。
翌2021年、2022年は海外からの招聘は断念し、日本在住の弦楽四重奏団4-5組を対象に開催致しました。
今回はパンデミック以前とまではいかなくも海外より講師2名、弦楽合奏団1組(4名)を招聘し、日本在住の弦楽四重奏団3組を加え開催でき、今年も充実したセミナーとなりました。
受講生は講師の熱い指導に熱心に答えるそのセミナー内容の充実度は参加者から評価されています。なお一層今後も考えうる限りの充実度のある事業活動を続けていきたいと考えています。
活動の主眼はセミナーではありますが、演奏家にとっては演奏会を行うことは必然で当然学びの一つになるので、いかに演奏会への来場者を増やすか、についても引き続き試行錯誤していく必要性を感じているところ。HPやSNSの活用を開始していますが充分とは言えず、さらに効果的な利用法を模索していきたいと思います。
またセミナー運営については、音楽を学ぶ若者に等しくチャンスを与えたい、との創設者たちの思いから、受講生からの受講料は一切とらず「フルスカラシップ」を掲げています。活動資金はすべて自治体からの補助金や民間の助成金、協賛金で賄っているため、常に資金的な綱渡り状態が続いています。
今後もこれまでと変わらずにMMCJの活動をみなさまに広く理解していただけるよう、一層努力することが必要と思っています。
アフターコロナとして本格的に運用を戻した年度となり、徐々にお客様の戻りも実感できるようになってきました。ただ事業収益のみでの実施は難しく、貴助成制度を利用される寄付をはじめ、協賛団体からのご厚志をいただき、無事に開催をすることが叶いました。ご寄付いただきました皆さまのご厚志と貴協議会のご高配に、改めまして感謝を申し上げます。
本回は、サントリーホールで1回、東京芸術劇場で2回の事業(定期演奏会)でしたが、演奏内容は、観客の皆様をはじめ評論家そして関係者の皆様の評判は良く、特に第152回定期演奏会では、超絶技巧を要する本邦初演曲トーマス・アデス作曲「ピアノと管弦楽のための協奏曲」を角野隼斗氏が見事に弾き切り、また、クラシック音楽界では新しい試みのイメージ映像の投影(プロジェクションマッピング)を伴ったホルスト作曲「惑星」とともに万雷の拍手で迎えられました。新しいもの、よりレベルの高いものも観客の皆様が求めていらっしゃるのがよくわかりました。第153回は、オーソドックスなスタイル、第154回は、イタリアに特化した興味深いプログラムでした。両回ともソリストの卓越した演奏が観客の皆様の大きな支持を得ていましたのは特筆すべきことでした。
また、本回は、寄付金が個人3件、法人6件の計9件が寄せられ、本事業の意義と成果は大きかったと自負しました。
なお、令和5年5月8日から新型コロナが、5類感染症になりましたが、会場内でのマスク着用率はほぼ100%で、まだまだ新型コロナ危機は意識の中では終わっていないことを実感しました。
活動者としての体験
昨年より慎重に準備を進め、本年2月に開始したワークショップシリーズは、3月25日の報告会に至るまで、多くの成果と学びをもたらしました。特に印象的だったのは、保育園で実施したモザイクタイルワークショップです。園児たちは制作活動に大きな興奮と熱中を見せ、わずか90分のセッションが非常に充実した時間へと変わりました。
保育園でのワークショップは、地域の若い家族との絆を深める効果的な手段となりました。この取り組みを通じて、地域企業との関係も強化され、保育園を支援する企業との協力体制を今後築くことができそうです。
加えて、災害公営住宅(河原アパート)でのワークショップ実施は、最高齢94歳の参加者を含む、あらゆる年代の住民にアートを通じた喜びを提供する機会となりました。地域のあらゆる層にアプローチできたことは、私たちの活動の大きな進展です。
反省点と今後の展望
冬期における展示作業は、0度程度の低温条件下で行われ、特に防潮堤へのタイルの接着作業に多大な困難が伴いました。接着剤の性能が最適化されるのは10度以上の環境であるため、これが作業効率を著しく低下させる一因となりました。3月11日を設置目標とする場合、今回の経験から、冬季における気温の低下に備えた適切な計画立案と対策が求められます。具体的には、より寒冷な環境に適した材料の選定や作業スケジュールの調整、温度を上げる設備の導入などを検討する必要があります。これらの改善策を実施することで、次年度以降のプロジェクトの成功率を高めることができると確信しています。
活動をしてみて
ようやくマスクを外しての合唱ができました。思いっきり歌い、全団員が合唱の楽しさ体感し、良い演奏会に繋がったと思います。今までとは違った現代曲を挑戦することができ、指導者のもと、また一歩前進できました。これからも歩みを進めていきたいと思います。しかし、収支においては厳しい状況でした。現代作曲家の曲ということで著作権料、楽譜レンタル費が発生することに加え、演出の必要上オケ要員の追加が生じました。寄付・広告でスポンサーの手厚いご支援を頂きましたが赤字が膨らんでしまいました。