本活動においては大阪市の中心部、淀屋橋にある財界のサロン「大阪倶楽部」でのマンスリーコンサートを実施した。18世紀音楽の普及啓もうを大きな目的とし、バロック時代や古典派の作品を中心に、すそ野を広げるためにスタンダードジャズとシャンソンも取り上げた。各月の公演は次の通り。
4月にはドイツからヴァイオリニストのウッラ・ブンディース氏を招聘し、フランスの作曲家ルクレールの作品に焦点をあてた公演を実施。5月公演は「ヴァイオリンで辿るクラシック」と題し、首席コンサートマスター浅井咲乃による選曲でバロックからロマン派までの歴史をたどる内容となった。7月公演では、昨年が協会創立55周年記念であったことから、「55年前、『テレマン』はここから始まった! テレマン・プチ・アンサンブル」と題し、創設メンバーであるリコーダー奏者北山隆氏を招いてテレマン作曲トリオ・ソナタなどを取り上げた。8月公演ではテレマン作曲の二重協奏曲を、9月の公演ではラヴェル作曲弦楽四重奏とシャンソンを、11月公演ではヴィヴァルディの様々な協奏曲をそれぞれ取り上げた。12月公演では毎年定番となっている高田泰治リサイタル「バッハ作曲ゴルトベルク変奏曲」の公演を、1月にはニューイヤーコンサートを実施した。2月はアンダーソンのポップスとスタンダードジャズを、3月には高田泰治のチェンバロによるバッハ一族の鍵盤音楽をそれぞれ取り上げた。
大阪市中央公会堂で開催している定期公演では、「中之島をウィーンに」というタイトルで18世紀音楽の普及に努めてまいりました。2018年は当協会創立55周年ということで、通常の定期演奏会4公演に加え、記念事業として特別公演を2公演開催いたしました。「特別」公演として、通常の定期演奏会とは違った特色を持たせるため、Vol.1ではロマン派の演目を取り上げました。ショパンとシューマンのピアノ協奏曲をそれぞれエラール社とイルムラー社のフォルテピアノを使用して演奏するという企画で、これまではベートーヴェンまでをレパートリーとしてきた当協会としては「新しい」分野となりましたが、各音楽雑誌の公演評では高い評価を頂きました。Vol.2では、「中之島をウィーンに」企画の核となっているスヴィーテン男爵が台本を作成し、ハイドンが作曲したオラトリオ「四季」を取り上げました。当協会には楽団だけではなく合唱団も常設の団体が所属しており、本公演では中央公会堂に初めて合唱団が出演することととなりました。また、本公演は同会場を貸切で使用し、小規模な公演を複数開催し、オラトリオ「四季」に関連した講演開催など「音楽祭」として開催したため大変話題となり、立ち見が出るほどの観客が詰めかけました。
音楽は様々な文化・芸術・人びとの営みと直結する創作活動であり、「社会との接点」にこそ その存在意味があることを聴衆の皆さまに認識して頂くことが当企画の第一の目標である。お客様には<心のコンサート>の命名通り、心に深く残る内容の提供と新鮮な興味をクラシック音楽に見出して頂くことを願って毎回心をこめた演奏会づくりに取り組んできている。今回のプログラム・タイトル <Mon Coeur>(私のこころ)は、自身の心の捉え方に留まるだけではなく、人間としての「優しさ」「寛容」な心の在り方をも意味する。演奏された作品は、それぞれ深い「感情」と大きな「心情」を表現しており、このコンサートに大変相応しい選曲であったと考える。お客様からは「いつものとおり、とても楽しませていただきました。毎回新鮮さを打ち出すべく、プログラムに工夫を凝らす大津純子さんのご努力に感心します」「何時ものことながら、演奏は素晴らしいものでした。次回は10月28日(日)との事なので、早速手帳を埋めておきました。菊池市の市長さんのお話は、地域の復興に力を入れておられることが分つて、流石と思いました。菊池市は、頼山陽が熊本から日田へ行き廣瀬淡窓を訪ねた前後に、筑後川を下つて南北朝時代の激戰の跡を偲んで作つた『筑後河を下り、菊池正歡公の戰處を過ぎ感じて作有り』という漢詩を詩吟で習つた時に、菊池正觀公武光の話を聞いて以来強い関心を持つていたので、あの映像には深く心を惹かれました。また、あの地震で最大の被害を蒙つた益城の市役所に知人が勤めていて、あの地震の後相当な苦労をしていた話を聞いていたので、他人事とは思えませんでした」「昨夜の演奏は圧巻でした!! 改めて大津さんの演奏家としての才能(もちろん努力の賜物でもあると思いますが)に打ちのめされました。素晴らしい音楽を聴かせて頂きありがとうございました。また、力を合わせて困難を乗り越えようとする時に生まれる心の通い合いや連帯感、そして遠く離れた地域から応援に駆け付け尽力する人々の思いなど、あの映像にはジーンときました」といった感想を頂いている。音楽を通して多くの方々との<心の交流>が実現出来ることに大きな喜びを感じている。今後とも皆さまに喜んで頂ける企画を目指して深い内容作りに心をくだいて行きたいと思う。
本年は2日とも天候に恵まれて暖かく、多くの観客とともに楽しむことができた。
大曲は、左方と右方の各1曲と格調高い構成を達成できた。
特に左方の「蘇合香」は、近代以降では一具(一度に全編を上演)では初の記録である。
大曲は演奏も舞も長く難しいことから上演できる人材は少ない中で、最大限努力した。
子供の舞は、特に地元の観客が多く集まり、盛大に開催できた。
活動をしてみて
本事業では大阪市中央公会堂と東京文化会館での定期演奏会、計8公演を実施した。4月には東京文化会館でウッラ・ブンディース氏と高田泰治による二重奏の公演を、6月には大阪市中央公会堂でベートーヴェン作曲交響曲第7番をメインとした古典派の演目を取り上げた公演を、7月には東京文化会館で高田泰治のチェンバロリサイタルをそれぞれ実施した。11月にはこれまで大阪でのみ実施していたバッハ作曲「ブランデンブルク協奏曲」全曲公演を、協会創立55周年を記念して大阪と東京両方で実施した。12月には毎年恒例となっている高田泰治リサイタル「バッハ作曲ゴルトベルク変奏曲」の公演を東京文化会館で実施した。1月の大阪公演はハイドン作曲「交響曲第45番『告別』」などを取り上げた古典派の内容を、東京公演ではテレマン作曲のトリオソナタなど、バロックの内容となった。