*活動を通して感じたこと:今回のコンサート・テーマは「Sensibilité et Passion〜 パリに花ひらく感性」ということで、19世紀から20世紀初頭にパリを舞台に活躍した作曲家たちの、繊細さと熱情が交差するロマンに満ちた作品でプログラムを構成した。ゲストの原島 博先生のご専門は電子情報工学だが、文化やアートへのご造詣が深く、顔を中心として<感性工学>という分野をも開拓されている。デジタル化された文化が社会を席巻する現代。演奏される作品を通して其々の作曲家たちの柔軟な感性や彼らが生きた時代の文化背景に触れ、先生のお話を伺いながら 改めて「人間性」とは何? 豊かな人生とは? という問題を聴衆の皆さんとご一緒に考える機会を設けたいと考えた。お客様から寄せられた感想を読むと、今回の企画が目指すメッセージ=豊かな感性には人びとの心を柔軟にする力がある=が伝達出来たように感じる。音楽を通しての啓蒙活動は地道であるかもしれないが、言葉を通してのコミュニーケーションより直接強く人びとの心に届くのではないだろうか。
*今後の取り組み:(個人的な見解ではあるが)現在世界規模で「人間性の質の在り方」が問われているように感じる。規模は小さくとも深い内容の企画で、今後とも社会に向けて“何故芸術が人びとにとって大切なのか” 発信していきたい。若い時(特に子ども時代)に受けた感動は人生に大きなインパクトを与える。若い世代の感性にも共感を呼ぶ(おもねるのではなく)テーマについても研究を続けたいと考えている。若者が参加し易いように中学生以下の料金を半額に設定した。若者たちとコミュニケーションをとる方法に付いても今少し考えを廻らせていきたい。
我が国において、当協会が専門とする18世紀の音楽はまだマイナーな分野である。財界のサロンである大阪倶楽部で開催するマンスリーコンサートでは、リピーター向けの公演が多いため、演目は必ずしも聴衆に受け入れられやすいものばかりでなく、入場料収入も少ない傾向にある。そうなれば寄付者にとっては自助努力の不足を寄付で補おうとしているように思われ、寄付に対する理解を得ることが難しくなることもある。貴会に登録することで、本活動がある一定水準以上の芸術活動であるということが寄付者に理解されやすく、なおかつ寄付者に税制上の優遇が受けられるようになることで、寄付を促しやすくなったと思われる。
今回のテーマとなっているダンスは、常に音楽とともに民衆の中から生まれ、ごく早い時期からクラシック音楽に影響を与えてきました。そのダンスと音楽の関係をたどるプログラムをお届けできたと思う。
また、今回はプレ公演を江南区文化会館で開催し、より幅広い市民の皆さんからラ・フォル・ジュルネに親しみを感じてもらうことができた。
スヴェイネ駐日デンマーク王国大使より、日本・デンマーク外交樹立150周年記念行事の一環としてコンサートを企画しないか、という依頼を頂き、大変光栄なことと喜びも大きかったが、準備期間が一年足らずしかなかったために大変な苦労を強いられることとなった。バランスの取れたレパートリーの選曲に相当の時間を費やさなくてはならず、また、取り上げたい作品の楽譜は思うように手に入らないなど、予想外の苦労を味わった。日本では殆ど演奏されない音楽ばかりでのプログラムはお客様から どのように受け入れられるのか、という不安もあり、集客への影響も気掛かりであった。更に、演奏会当日想定外の台風襲来も重なり、どうなるものか幕開けまでドキドキではあったが、最悪の天候にも拘わらず(いつもと変わらない)106名ものお客様が見え、最後のレセプションまでほぼ全員の方々が参加して下さったことには感謝の念で一杯である。また、初めて耳にする曲ばかりであったのに、「ポピュラーな作品ばかり聴くより、新鮮な音楽を聴く機会が出来て大変楽しかった」という、新しいものへの興味と好奇心旺盛なお客様方のエネルギーに、こちらが感動してしまった。かなりの苦労が伴った企画であったが、結果に喜びを感じている。
活動をしてみて
我が国において、当協会が専門とする18世紀の音楽はまだマイナーな分野である。特に、当協会の活動の根幹となる定期演奏会では、演目は必ずしも聴衆に受け入れられやすいものばかりでなく、入場料収入は他の公演よりも少ない傾向にある。そうなれば寄付者にとっては自助努力の不足を寄付で補おうとしているように思われ、寄付に対する理解を得ることが難しくなることもある。しかし、貴会に登録することで、本活動がある一定水準以上の芸術活動であるということが
寄付者に理解されやすく、なおかつ寄付者に税制上の優遇が受けられるようになることで、
寄付を促しやすくなったと思われる。