本事業では大阪市中央公会堂と東京文化会館での定期演奏会、計8公演を実施した。4月の公演は大阪・東京共に新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止・延期となった。6月より活動を再開し、7月には大阪市中央公会堂での公演を実施し、ベートーヴェン作曲交響曲第1番と第2番を取り上げた。感染症対策のために編成を極限まで縮小した公演となったが、ベートーヴェンが貴族の邸宅で開いたとされる試演会を再現するというコンセプトを持たせて芸術性を担保した。7月末の東京公演は新型コロナウイルス再拡大に伴い延期。8月には大阪市中央公会堂で、7月と同様「貴族の邸宅での試演会の再現」というコンセプトでベートーヴェンの交響曲第3番・第4番を、10月にも同様の形で交響曲第7番・第8番を取り上げた。11月には東京で7月公演の延期公演を実施。ベートーヴェンのピアノソナタを18世紀当時のオリジナルのフォルテピアノで演奏した。また、11月には大阪市中央公会堂で前述のコンセプトを拡張した形で「第九」を取り上げた。翌年1月には延原武春オーボエ生活60周年記念公演として大阪市中央公会堂でモーツァルトとハイドンのオーボエ協奏曲などを、東京文化会館でピアニスト小林道夫氏との共演で歌曲を取り上げた。
本活動においては大阪市の中心部、淀屋橋にある財界のサロン「大阪倶楽部」でのマンスリーコンサートを実施した。18世紀音楽の普及啓もうを大きな目的とし、バロック時代や古典派の作品を中心に、すそ野を広げるためにスタンダードジャズとシャンソンも取り上げた。
5月に予定していた公演は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった。6月より活動を再開し、高田泰治のチェンバロ・リサイタル(※2020年3月の延期公演)とバッハやテレマンの協奏曲を取り上げた公演を実施した。9月公演では近代フランス音楽とシャンソンを、12月公演では毎年定番となっている高田泰治リサイタル「バッハ作曲ゴルトベルク変奏曲」をそれぞれ実施した。12月末にはクリスマス・コンサートを予定していたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い中止となった。1月には延原武春オーボエ生活60周年記念公演としてピアニスト小林道夫氏との共演で歌曲の公演を、2月はドヴォルザークの弦楽四重奏曲「アメリカ」とスタンダードジャズを取り上げた。3月は高田泰治のチェンバロ・リサイタルを実施した。
コロナ禍での公演でしたが、出演者、スタッフはPCR検査を受けて臨み、観客からも感染者が出なかった事で、公演は成功であったと思います。
杉並区民による合唱団及び杉並区立第十小学校の児童による児童合唱、ソリストが一緒にオペラ創りに参加できたことは、「様々な年代の人々がオペラ創りを通してオペラへの関心を深め裾野を広げ、地域における文化芸術活動に貢献する」という当初の目的が達成できたと思います。
この活動を引き続き続けてゆきたいと思っています。
活動をしてみて
今回のプログラム曲選定には かなり気を遣った。大切にしたのは作品のひとつひとつが奏でる”色彩”=ハーモニーには色彩があると個人的に感ずる= を どのようにキャンバスに広げて行くかということ、そして、最初の曲からアンコールに至るまでを ひとつの大きなストーリーの流れとして描きたいという思いである。コレット・ヴァレンタインは歌手や様々な器楽楽器奏者たちとの共演体験が豊富であるため音楽の捉え方に柔軟性があり、また、個人的にも近しい信頼を置いているピアニストである。こちらの思いを受け止め、分かち合うことのできるパートナーとして、互いに刺激し合いながら演奏を進めることが可能となったことは喜びであった。
今回の来場者は前回同様108名。ゲストの関係者など招待者もあるため中々商業的には厳しいものがあるが、このシリーズに意義を見出して出席されるリピーターの方々も多く、また、会場に見えて偶然(暫く疎遠になっていた)友人に出くわしたり・・・と、演奏とコンサートを心から楽しんでくださるお客様が増えていることは今後の継続への力となる。単に演奏を聴いて頂くだけではなく、人や新しい知識との出会いを楽しんで頂くという、社会的にも貢献出来る企画作りに励んで行くことに意味を感じている。以下、お客様からの感想を幾つか認める:
「打ち上げ会場で偉そうにお伝えしてしまいましたが、本当にいつもとまたちょっと違う曲の選択や曲順など、とても新鮮で、このところ大曲が多くてそれも迫力あって素敵でしたけど、わ、なんかまた違う曲!と、次々新しい流れが起きて楽しかったです。演奏者おふたりの深い信頼関係が見えて、聴いているこちらも温かい気持ちになれました。」「素晴らしい一夜でした。純子さんならではの曲と演奏で堪能させて頂きました。ホールを出て、余韻に浸りながら歩きました。アンコールで弾かれた最後のショパン(ノクターン)には涙が出ました。1974年の秋にお目にかかってから、その間 純子さんが積み上げて来られた音楽を感じました。又の機会にお誘いいただければ幸甚です。」「昨日は繊細な、大津純子さんの優しく知的な音色を久しぶりに聴いて、やっぱり素晴らしいなーと大感激しました。ありがとうございました。うちの母も純子さんファンです。純子さんにご挨拶したかったのですが、ファンたちと会話され、なかなかご挨拶もできず、失礼致しました。」「従来同様に非常に楽しませて頂き、有難うございました。バイオリンの豊かな響きを聞きながら、うっとりと豊かな時を過ごさせて頂きました。偶然にも、私の米国駐在時の知人も見えており、話が弾みました。岡ノ谷先生の話は、思いもかけないものでした。鳥にだけ歌う能力(リズムも)があるなんて、ほんとかなと思ってしまうような事でした。話を伺いながら、人間はどういうメカニズムで楽曲の良し悪しや絵画の良し悪しを判定しているのだろう?と妙な事を疑問に思いました。」「大津純子さんのヴァイオリン、素晴らしかったです!体のどこにも余計な力が入らず、全くの自然体であれだけの迫力と美しさ、繊細さを兼ね備えた多彩な音を紡がれるのに感服しました。ピアノ伴奏の方とのコラボレーションも完璧で、久しぶりに本当に美しいヴァイオリンとピアノの音色を聴かせていただいた気がいたしました。そしてまた純子さんの曲紹介もわかりやすくて親しみやすく、とても楽しかったです。個人的にもご挨拶させていただけて嬉しかったです。本当にステキな演奏家でいらっしゃいますね。東大の先生のお話も面白かったですし、このようなコンサート形式もとても良いものだと、早速娘に伝えました。」「コンサートは、いつも非常にうまく構成されいて、トークも普段は接する機会のないテーマでありながら興味深いもので、演奏・トーク共、いつもの通り楽しませてもらえました。」「すばらしいコンサートを楽しむ時間をいただき本当にありがとうございます。プログラムの組み方がすてきで、一つの世界に入れるのが嬉しいです。」