2017年から続けているこの活動は、コロナ禍により対面活動の自粛により活動が縮小されたり方法を再検討したりせざるを得なかったが、去年からまた充分にリアル対面での活動ができるようになった。以前実施せて頂いたところに声をかけると大変喜んでいただけ、また、初めての場所でも実施後には喜びのお声をたくさんいただいた。良い企画であるのは間違いなく、また確実に広がっている。ただ、活動に支援を求めるにあたってのマンパワーと戦略が欠けていたため十分な資金の支援を頂けなかった。しかし人の環は広がっているので、活動が周知され、もっと戦略的に動けるようになれば新しい局面が開けるのではないかと思えた。
全体をひとつの大きなワークショップと考えるというコンセプトが講師スタッフに共有され、発信してきたメッセージ「自分がすきなこと、自分でみつけよう!」が参加者に浸透し、子どもが自ら選んだプログラムに積極的に参加する姿が見られました。プロの芸術家との出会いや感動が心にきざまれ自分自身の発見に繋がっていくことと思います。子ども達と、地域の大人、参加者など多くの人と交流が生まれていました。
PocoPocoFestaの趣旨を広く個人や地元企業へ伝えられることができて、多くの賛同を得ました。
現代芸術分野のアーティストを国内外から招聘し、滞在中の創作活動を支援する活動「アーティスト・イン・レジデンスプログラム」、ワークショップやレクチャーを行う「ラーニングプログラム」を展開し、アーティストと交流し、楽しみながら芸術活動を体験できる機会を提供するとともに、魅力ある地域づくりを推進した。
レジデンスプログラムにおいては、海外のアーティスト1組及び日本国内のアーティスト1組に対して、当実行委員会は、調査・制作に対するサポートと創作活動費、生活費等を提供し、制作に専念できる時間と環境を整え、アーティストの制作活動を支援した。参加アーティストらは、自身の制作テーマに合わせてインタビューやフィールドワークを含む調査を実施し、オープンスタジオで成果発表を行った。2組は共に日本の文化や社会状況、歴史や地域性に強い関心を持ち、理解を深めていった。このことから、成果発表の機会となる報告会では、来場者に対して、アーティストの活動を通じて、日本の歴史や地域社会における人的・物的資源の再発見を促すことが出来た。また、招聘アーティストに対しては、日本のキュレーターとの意見交換の機会を設け、招聘アーティストが国内外において今後、滞在や制作を継続的に行うためのネットワーク形成に寄与した。
ラーニングプログラムでは、アーティストの日比野克彦によるワークショップを開催し、地域住民に制作体験を提供し、地域住民がより身近にアートを感じることのできる環境づくりを行った。レクチャー・シリーズのアートカレッジは2回実施し、現代アートと社会の関係をわかりやすく読み解く機会を創出した。
以上の活動から、アーティスト育成に寄与するとともに、あらゆる世代の地域の人々へ現代芸術にふれる機会を提供することができた。
約1年かけて、脚本制作、作詞制作し、作曲、キャスティングから顔合わせ、稽古、本番と怒濤の活動の合間に寄付者を募っていくことは簡単ではなかったが、主に知人やその紹介などで、ご支援をいただくことが出来、感謝している。
身体の障害があるなしにかかわらず、自ら選んでイベントを楽しめるようになれば良いと思ってしている活動で、多くの人々からの喜びの声を聞けることが活動者として、苦労が報われたことだった。
活動をしてみて
3名の共同ディレクターによるフェスティバルのプログラムも4年目をむかえ、海外からの招聘や、コロナ禍で実施できていなかった関連プログラムも含めて、予定通り数多くのプログラムを実施できたフェスティバルとなった。
Shows(上演プログラム)では、国際的に評価の高い日本人アーティストや、世界的に注目を集める海外アーティスト、気鋭の若手ダンサー、さらに美術や文学、匂いのアートといった異ジャンルをミックスさせたアーティストによる舞台作品を創作・上演し、多様な表現が交差するフェスティバルを実施することができた。紹介するアーティストやプログラムを包括するキーワードとして「まぜまぜ」を設定し、キーワードに立脚した作品群の上演により、参加した観客が多様な思考を生み出すことができるよう工夫した。一方でKansai Studies(リサーチプログラム)、Super Knowledge for the Future(エクスチェンジプログラム)と上演プログラムが相互に影響し合うようなプログラムの組み方については、今後も工夫の余地があると感じた。
感想シェアカフェやフリンジ More Experimentsは予定通りに行うことができ、幅広い参加者を得ることができた。
フェスティバルの情報拠点となる特設ミーティングポイントを市内の2箇所に分散して設置したことや、長期間受付をする作品が複数あったこともあり、会期中のスタッフの人員配置やその強化に苦労した面があった。