「札幌演劇シーズン」は今年(令和4年)の夏で10年目を迎えます。その節目に向け、昨年より作品選定をプログラムディレクター制にし、より質の高いラインナップを目指し新たなプログラム作りを開始しました。メイン演目の充実と、サテライトプログラムも拡充し、札幌の地場演劇が観光産業の活性にも寄与する札幌の地場産業として位置づけられることを目標としましたが、2021年度も、新型コロナウイルスによる感染症拡大の影響は免れず、引き続き規模を縮小せざるを得ませんでした。
それでも、7月の夏の演劇シーズンでは5団体が中止することなく無事終幕を迎えました。また、今年度も文化庁の「ジャパンライブエール」を実施。今回は会場を「特設ライブエールシアター」とし、旧北海道四季劇場の中に特設ステージを作り、その中で約1ヶ月間に渡り、音楽劇、オペラ、JAZZ、演劇、ダンス等、多種多彩なステージを毎週末実施し、充実した内容をお客様にお届けすることができました。
冬のシーズンでは、年明けから急激に蔓延したコロナウイルス新種株の影響を受け、出演者から感染者が出、一作品が数公演を残して中止という形で終わりましたが、シーズンと劇団側の迅速な対応で、大きな拡大に繋がることはありませんでした。また、サテライトプログラムの最後を飾った『暴雪圏』は、作品が各方面から様々な高評価を受け、ステージごとに来場者数を延ばし、まん延防止重点措置期間中にも関わらず、多くのお客様が来場しました。
長きに渡るコロナ禍で疲弊しがちな北海道の舞台芸術ですが、多くの多彩で斬新な企画を通して、札幌交響楽団やジャズミュージシャン、アイヌ音楽家、コンテンポラリーダンサー、障がいを持った子供たちのアート作品など新たなジャンルとの協働を今年度も継続することができました。その結果、演劇シーズン本体プログラムの8作品だけでは、85ステージで4218名の集客と348回の配信視聴数。サテライトプログラムやSBLACのすべての企画を合わせると、166ステージ、11,623名の集客と、1461回の配信視聴数となり、このコロナ禍にあっても、1万5千名近い観客の皆様に、ライブの実演芸術をお届けすることができました。
また、プロジェクトのメンバーが中心となった札幌市未来会議では、今年度も札幌市内の実演芸術家や団体へのアンケート調査を実施し、そのデータを基にした政策提言を札幌市に提出。これをもとに札幌市が次年度から新しい文化芸術創造活動支援事業を開始するなど、プロジェクトの活動が、札幌の実演芸術家たちを金銭面でも支えることにも寄与しました。
感染症拡大の影響で、今年度も、座談会企画は、リモート開催による1回のみとなりましたが、コロナ禍における生の声を各劇団主宰者から聞くことができ、この未曾有の災害を乗り越えた今後の北海道・札幌の文化芸術の発展において、何が必要かを再認識することもできる機会となりました。
若手演奏家(15-35歳)を対象に公募で受講生を選抜し、公開レッスンと講師陣による演奏、または講師陣によるレクチャーコンサートを二年間行ってきた。(活動そのものは本年度で6年目)
毎回のセミナーが充実した講師陣による大変興味深いものであることは聴講者の高いリピート率にも表れている。(期間内4回以上来場した聴講者は全体の23パーセントを占める)
また、受講した若い演奏家たちがこのセミナーを通して得た成果をおのおのの演奏会などで披露する場面も増えてきた。
会場のスタジオ・コンチェルティーノは収容人数80名の小さな音楽ホールであるが、大変音響の優れた施設で、音の質や音色など、響きの研究をするのにも非常に適しており、セミナーにとって有利な条件となっている。
「あいちトリエンナーレ2016」の特徴のひとつとして、「参加アーティストと企画体制の地域的な拡がり」があげられます。芸術監督には、南米での滞在経験を経てフランスを活動拠点のひとつとする港千尋氏を迎え、ブラジルやトルコを活動拠点とする外国人キュレーターも招聘しました。それにより、これまで紹介される機会が少なかった南米、アメリカ、中東などを含め、過去最多となる38の国と地域からアーティストが参加し、それぞれの国・地域の歴史や独自の文化を踏まえた魅力ある作品を紹介することができました。
また、会場については、前回の名古屋市・岡崎市に加えて、豊橋市内でも展示や公演を展開しました。再開発で注目される名古屋駅周辺、岡崎城をはじめとした歴史的建造物が数多く残る岡崎、路面電車が走る味わいのあるまちなみの豊橋と、それぞれの地域や会場の雰囲気に合わせた魅力ある作品展示を行いました。
その結果、60万人を超える多くの来場者を迎え、盛況のうちに事業を終了することができました。
若手演奏家(15-35歳)を対象に公募で受講生を選抜し、公開レッスンと講師陣による演奏、または講師陣によるレクチャーコンサートを10か月行ってきた。
昨年同時期(2015年4月から2016年1月)と比較したとき、聴講者のリピート率は4ポイント下落したものの(昨年19%、今年15%)、聴講者数は昨年より増えた。(昨年より25名増)
リピート率はおおむね維持しつつも、新しく興味を持つ方も増えており、TAMA音楽フォーラムの活動が広く認知され、評価されている証だと考えている。
また、受講した若い演奏家たちがこのセミナーを通して得た成果をおのおのの演奏会などで披露する場面も増えてきた。
会場のスタジオ・コンチェルティーノは収容人数80名の小さな音楽ホールであるが、大変音響の優れた施設で、音の質や音色など、響きの研究をするのにも非常に適しており、セミナーにとって有利な条件となっている。
活動をしてみて
「札幌演劇シーズン」は9年目となり、来年の10年という節目に向けて、作品選定の仕組みを大きく変え、プログラムディレクター(5年任期)を任命し、複数年度に渡ったプログラム作りを開始しました。これにより演目の充実と周辺企画(サテライトプログラム)の拡充も図り、北海道・札幌の演劇が全国から注目を集め、札幌の地場演劇が観光産業の活性にも寄与する札幌の地場産業として、位置づけられ、独特の発展をするための改革を開始しましたが、2020年度は、新型コロナウイルスによる感染症拡大の影響で、規模を縮小せざるを得ず、その活動は困難を極めました。
それでも、全国に先駆けて6月から実施を決定し、7月には夏のシーズン、そして秋には、文化庁の「ジャパンライブエール」に企画を提案し、札幌演劇シーズンとして、様々な実演芸術家の企画を立案し、演劇以外のジャンルにも声をかけて、観客数が増えない中、企画の数を前年度の倍以上とし、まちなかシアターなどにも取り組み、映像配信にも取り組んで、何とか、3月7日までの期間中、徹底した感染症対策を施して、感染者も発生させずに無事に終えることができました。コロナ禍で疲弊しがちな北海道の舞台芸術でしたが、これを機会に新たなジャンルとの協働を実現することができ、札幌交響楽団やジャズミュージシャン、アイヌ音楽家、コンテンポラリーダンサー、更には障がいを持った子供たちのアート作品などと連携することで、新しい札幌の演劇の可能性を見出すこともできました。その結果、演劇シーズン本体プログラムの6作品だけでは、58ステージで2,610名の集客と、1,444回の配信視聴数でしたが、サテライトプログラムやSBLACのすべての企画を合わせると、185ステージ、19,898名の集客と、3,397回の配信視聴数となり、このコロナ禍にあっても、2万名近い観客の皆様に、ライブの実演芸術をお届けすることができました。
6月には、プロジェクトのメンバーが中心となって、札幌市内の実演芸術家や団体にアンケート調査を実施し、そのアンケートデータを基にした政策提言を札幌市に提出しました。これをもとに札幌市が文化芸術活動再開支援事業を開始するなど、プロジェクトの活動が、札幌の実演芸術家たちを金銭面でも支えることにも寄与しました。
感染症拡大の影響で、3回企画していた座談会企画は、リモート開催による1回のみとなりましたが、ここでも貴重なヒアリングを世代の異なる劇団主宰者から得ることができ、今後、こうした座談会を継続して、実演芸術家たちの声を行政に届ける役割としてのプロジェクトの立ち位置を認識することもできた1年でした。