コロナ禍での募集にもかかわらず26の国と地域から245名の応募があった。予備審査を通過した9か国42名の出場者によって2023年2月12日の第1次審査から23日の本選まで文字どおりの熱演が繰り広げられ、フィリップ・リノフ/ロシアが優勝するなど盛況のうちにコンクールを無事終了することができた。
42名の若さと才能溢れるピアニストたちの熱気に満ちた素晴らしい演奏は私達にクラシック音楽の魅力を存分に伝えるとともに、香川県内の若者や子供達にも大きな夢と感動を与えることができたものと考えている。また美しい瀬戸内海を臨む会場であるレクザムホールを起点として、香川県の魅力を世界に向けて発信することができたものと確信している。
上演プログラム、リサーチプログラム、エクスチェンジプログラムの3つのプログラムについて、コロナ禍になって以降初めて、予定していた各プログラムをフルスペックの形で実施することができた。終演後のロビーやSNSなどから観客からの良い反応も感じ取ることができた。特に海外のアーティストが来日して舞台の上演を行なうことができた点は、国際交流の再起動という点で大きな一歩だった。今後も、2020年に共同ディレクター体制になって以降にまず目標としてきた「観客が主体となるフェスティバル」ということに対して取り組み、様々な思考に触れる契機となったり、自らの思考を深めるきっかけとなったりするようなプログラムを組んでいきたい。
またフェスティバル期間中におこなったアンケートによると、今回はじめてKYOTO EXPERIMENTを訪れたという方は、有効回答数666件中285件で、約43%に上った。これまで新規の観客層が少ないということが課題だった中、良い結果が得られた。特設ミーティングポイントなど、ここ数回継続しておこなっている活動の現れかもしれない。来年以降、感染症の状況がより改善されれば、飲食を伴うような観客同士の交流の場も再び設けていきたいが、一方で感染拡大を助長することがないよう、リスクに対して慎重に判断していきたい。
コロナの影響があり、予定していたイベントの一部、音楽のみの実施となったが、参加された方々から以下のような感想をいただくことができた。
「ピアノと能のコラボレーションが良かった」「能のお話が興味深かった」「実際の面や衣装の体験ができて楽しかった」「参加費もちょうど良かった」など。
活動に手ごたえを感じ、今後も発展させていきたい。
令和4年度文化庁AFF2.補助金事業として補助金を得ることはできたが、一方寄付集めについては課題が残った。
羽衣まつりは、フランスの舞踏家エレーヌ・ジュグラリス夫人を顕彰し、日仏国際交流の推進及び羽衣伝説の理解・伝承することを目的として、三保羽衣薪能を中心に、三保こども能楽・しずおか三保羽衣謡隊、エレーヌ夫人顕彰式などの能楽関連事業を開催しています。昭和59年に初めて開かれてから、令和4年度で39回目を迎え、現在では毎年10月に開催される伝統行事となっています。
羽衣まつり運営委員会は、地元自治会や市内各種団体関係者で組織されています。また、会場近くの清水第五中学校においては、総合的な学習の時間に能が学ばれており、羽衣まつりが発表の機会となっています。これは生徒たちにとって、わが国の伝統文化を通して郷土のことを知る機会にもなっており、清水区最大の文化事業のひとつとして継続されています。
この羽衣まつりの開催会場すぐそばにある三保松原は平成25年6月に世界文化遺産に登録され、登録後は三保松原及びその周辺地区が注目を浴び、地域の主要な観光スポットとなっています。
令和4年度は、松原からみほしるべ前広場への会場移動に伴い生じた課題に対応するため、広場に観覧席を設け、鑑賞者の皆様により快適に鑑賞していただくための環境づくりに努めました。
世界文化遺産の傍らで開催される日本随一の薪能として、三保松原の本質的な価値を守り、活用しながら伝統文化である「能」及び貴重な地域資源としての羽衣伝説を次世代に継承していくことがこの催事の使命と捉え、今後も取り組んでまいります
活動をしてみて
Miracle公演のシリーズでは誰でも楽しめるファミリー向けの演目を考えて今回は「魔笛」を取り上げました。初めて2回公演を行い、若手歌手の育成の意味合いもあり、若手歌手とベテラン歌手の混合チームでの公演になりました。またKid's Chor. のメンバーも助演だけでなくクナーベ役で出演し育成事業発展の可能性を感じています。
新型コロナウィルス感染症対策のため配席や演出を考慮し、関係者一同に消毒や検温などまだまだ予断を許しませんが、ご来場いただいたお客様に「公演が鑑賞できて良かった」とのお声をたくさん頂きました。