高校生を対象とした競技イベントであるため、特別シンポジウムやライブドローイングといった応援イベントの開催は、高校生にとって非常に有用であった。寄付金をいただくことにより、さらに充実したイベント内容の実施ができることは高校生を含めた参加者の満足度を高めることができる。
小舞台での夜公演は3年目となり、出演者の動き、大道具、小道具の配置などもかなり手慣れてきたといえる。舞台制作は昨年に引き続き若手を中心に実行委員会制を敷いた。委員会活動は実務作業およびイベント参加準備作業も含めると数十回となる。彼らの奮闘により、脚本、絵コンテの変更、毎週末の稽古、舞台装置製作、本公演の進行が順調に推移した。
今年は本公演以外に下記のイベントを行い多くの人々に函館野外劇を見ていただく事が出来た。
6月1日 JAIFA全国大会 4000人 函館アリーナ
7月7日 ユネスコ全国大会 800人 芸術ホール
9月2日 開港五都市景観まちづくり会議 60人 五稜郭タワーアトリウム
9月30日 箱館奉行所再現劇 100人 五稜郭公園箱館奉行所
12月20日 箱伊達ロータリークラブクリスマス会 100人 函館国際ホテル
近年、一つ、二つと東京近郊のオペラ団体が姿を消している。プロのオーケストラを導入した本格的なグランドオペラの上演は、財政問題がネックとなり、継続することが非常に難しい。オペラ活動を続ける民間団体のほとんどが県庁所在地、または政令指定都市等の団体に限られ、人口8万の和光市で、クオリティの高いグランドオペラの上演を続けるオペラ彩は稀有な存在として注目を集めている。
オペラは敷居が高い、と感じる人々が気軽にオペラに親しめるように工夫したさまざまな取り組み、地域住民を交えたオペラ・カフェや稽古場見学会、若い世代の観劇を促す格安チケットの設定など、地域を拠点にしたオペラ活動、次世代に向けた取り組みが、オペラ彩の活動の基本となっている。
しかし、チケット収入が公演経費全体に占める割合は50パーセントと低く、それだけでは公演経費を賄えないことから、助成金や会員会費にたよる割合が非常に高くなる。それがまた赤字を生む原因となっている。
企業メセナの認定をいただき、今後も多方面に更なる活動支援依頼を続けていきたい。
過去にハコモノ行政が問題視されたことに応答して、行政や民間で芸術文化をめぐる様々な取り組みがされている。
1994年、C.A.P.は神戸市の美術館構想に対してアーティストの立場からの提案を行った。地域で活動する芸術家や生まれてくる芸術をバックアップしその現場となるための美術館の提案だった。神戸の地震でこの計画は無くなったが、そこからC.A.P.の活動が始まり、’99年に当時市で問題となっていた廃ビルを借り受け、市民と掃除して利用を始め、それがひとつの地域の芸術拠点となって芸術をめぐるコミュニティーが育った。
C.A.P.プロジェクト2019は、海外でも同じように活動する芸術家のグループと互いのアートコミュニティーに刺激を与える活動を行うもの。フィンランドのトゥルク、そしてドイツのハンブルグから迎えた芸術家たちは展示を行い、地域の課題について話し合った。逆に神戸からハンブルグやブレーメンに行き活動したアーティストたちは、その体験から帰国後の神戸で活動を膨らませている。一方、地域のネットワーク形成を目指す神戸文化祭では、アーティストに限らず創造的な活動を行う人たちを繋げ、関係性を広げることに貢献した。海外グループとの活動と地域のネットワークが徐々に重なって来ている。今後の活動継続によって更に効果を上げることができると考えている。
活動をしてみて
今年度は行政や地元教育委員会等の後援を得て、地域の人々に幅広く活動を展開することができた。