震災とその記憶にどのように向き合うか、トークや撮影、写真展を通して5年かけて考えて来たことに、今回のフェスティバルである程度の方向性は示すことができたのではないかと思う。今年から、「記憶と向き合う」ことから、「どのように写真で記憶していくのか」というテーマにシフトするきっかけにもなったという意味でも意義深いフェスティバルだったのではないかと思う。
また、全国各地から来場者が集まり地域活性化にも貢献できた。そして、東北の写真文化の発信拠点として機能させるべく、仙台ニコンサロンに一部のコンテンツを巡回することができたことも新たな一歩だった。
課題は、初回から変わらないのだが、人手不足である。開催2−3ヶ月前に、それまで力を貸してくれていたボランティアが本業が忙しくなった、転職したなどの理由で数名が抜けていくという状況に見舞われ、立て直しできないままオープンを迎えた。特に、広報に影響が出た。ボランティアの確保の難しさを感じる一方で、以前より支えてくれたボランティアの数名の成長がめざましいとも感じた。フェスティバルの価値を上げ、人手不足の解消、ボランティアや関わる人々の成長の場としても機能できるようにしたいと強く思う。
5回を迎え、実現できたこととそうではないことを考えるとそれぞれ50%ほどのように感じている。優先順位をつけて実行していく必要性を実感した。
ファッション甲子園は、「21世紀のファッションを担う人づくり」というファッション振興策として平成12年の北東北大会から始まり、その翌年から全国大会として毎年開催しています。高校生の夢の創造と21世紀のファッションを切り開く新しい人材の育成、より高いレベルで競い合う場の提供などを目的としています。
今回で16回目を終え、高校生たちにより魅力的なパフォーマンスをしてもらうため、ランウェイを設置したり、プロジェクターで会場の様子を写し出したりと、臨場感あふれるステージを用意しました。最終選考に残った高校生たちは、自分たちでデザイン・縫製した自慢の衣装を、チームの一人がモデルになって身にまとい、緊張の面持ちでウォーキングしました。
厳正な審査の結果、優勝は私立清凌高等学校(岐阜県)、準優勝には私立柴田女子高校(青森県)、第3位には私立富山第一高校(富山県)が受賞。優勝校には副賞として4泊6日の「パリ派遣・招待」が贈られました。
さらに今回は、第一回大会優勝者の辻沙織さん(映画『テラフォーマーズ』の衣装を担当)や、第13回大会優勝者の加納明日香さん(Yumi Katsura Award2016 Rose Wedding 全日本ブライダル協会賞受賞) からのビデオメッセージも放映し、大会出場OGがファッション業界の第一線で活躍し始めてきており、デザイナーを目指す若者の登竜門としての位置づけが高まっています。
審査員長の大塚陽子氏(東京ファッションデザイナー協議会議長・ファッションジャーナリスト)は、「将来的に、世界的なデザイナーが出てきてほしいと願っています」と期待を語り、関係者一同今後の更なる発展を目指してまいります。
16回大会から取り入れたランウェイを活かし、審査員席の目の前までウォーキングし、アピールすることにより、質の高い演出が実施できたと思います。また、舞台正面に200インチのスクリーンを設置し、大画面で映像を流すことによる臨場感を演出しました。コンテストでは舞台演出の変更により、生徒たちはいかにして作品をアピールするかを試行錯誤しながら取り組んでいました。大会終了後、審査員から直接アドバイスをいただける交流会も大変好評でした。この大会に懸ける思いや、全力で取り組む姿勢がうかがわれます。
これからも、過去~現在~未来へと、「高校生らしい瑞々しい感性」を繋ぎ、若者の夢の創造を育み、全国の高校生が夢と希望と情熱を持って参加できるよう、県内外、将来的には国内外を巻き込んだ大会を目指していきます。
東京会場では展示の他にギャラリートーク、スライドレクチャーガラス体験イベントが実施され、4つの巡回先でもギャラリートークや講演会のイベントを実施、各館ともガラスのイベントと観客動員の魅力から、継続的開催を求められている。
これらの事業を通し、当協会の理念である現代ガラスアート(工芸)の社会への普及、会員の研鑽、次世代への継承は実現できたものと信じている。
活動をしてみて
当協会会員110名(2015年度頭初)のうち83名(うち2名は運送事故により展示とりやめ)の出品は全体の75パーセントに当たり、従来に比べ減少したが、これは在籍会員の高齢化等の諸事情で制作を控えた者が増えたことによる。今回は日本国内に在住し、出品の意志がある者は自由に応募できる一般公募を16年振りに実施した。出品者は総じて3年に1度開催するこの「日本のガラス展」の意義を理解し、新作、大作に挑み、自己の作品を進化させようという意気込みを感じさせた。
東京会場では会員による連日のギャラリートークの他、初日にはガラス作家高橋禎彦氏(多摩美術大学教授)を迎え、レクチャーと対談を行った。この他にも会場中央にある池を利用したインスタレーションや会期中の金曜日、土曜日には会場中庭にて吹きガラス、切子、バーナーワークの実演と体験を実施し、通りがかりの人達も興味を示して参加した。また近隣のフレンチレストランにおいてコースメニューをガラス作家の独創的な器で提供する企画も会期終了後まで継続され好評を得た。更に同時期、近隣施設で3つの現代ガラス展が開催され、別刷りのチラシを制作し、イベント情報として広報、集客に努めた。
東京会場終了後の4つの巡回先でも各々出品者によるギャラリートークや講演会のイベントが実施され、各館とも通常の展覧会と比較して観客の動員と興味が深く、継続的開催を求められている。
これらの事業を通し、当協会の理念である現代ガラスアート(工芸)の社会への普及、会員の研鑽、次世代への継承は十分実現できたものと信じている。